先日、フロッグスリープのカベルネ・ソーヴィニヨン(ラザフォード)をあけた時のことです。
黒系果実の立ち上るアロマに、
ミントやラベンダーのドライハーブの清涼感が感じられ
口に含むと豊かな果実味と程よい酸、
なめらかなタンニン――まさにバランス良く、エレガント。
冷たさを感じない温もりあるやさしさもあり、
「これがラザフォード・ダスト?」と、
そんなことを考えていました。
そして思い出したのが、2023年1月に参加した
ジョン・ウィリアムズさんのセミナーでした。

“畑がワインを造る”という信念のもと、
フロッグスリープは設立当初から環境共生に取り組み、
オーガニック栽培を先駆的に導入してきました。
利益より生態系やテロワールを尊重するその姿勢は、
今では流行りではなく、確かな信条に感じられます。
セミナーでは、
「テロワールとは土地の声であり、
人の思いも含めて表現される個性である」とおっしゃっていました。
当時「ラザフォード・ダスト」がよくわからなかった私。
ジョンさんに言わせると土壌に合ったカベルネでないとそれは感じられないとのこと。
ちゃんと理解しているのか?と問われれば「どうかな?」と思うのですが・・・
少なくとも今は、その味わいと共に、
あの「土の優しさ」が少しだけ腑に落ちた気がしています。

ふわっとした滑らかな、でも粉のように柔らかく広がる。
まさに名前に負けない、素肌感のある香りと味わい。
時間を経て、実際に飲んで身体で理解をしていく感覚。
うまく伝えられないのですが
そういう理屈じゃないたいせつななにかを感じた夜でした。
フロッグス リープ エステイト グロウン カベルネソーヴィニヨン ラザフォード [2020]




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