オーストラリアで、ピノノワールと言えばこの生産者。活きる伝説とも言える『バス・フィリップ』。このワイナリーのオーナー”フィリップ・ジョーンズ”が高齢で引退を決意。それに伴いワイナリーを売却する事になりました。
フィリップ自身が手がけるワインは2020年まで。
しかし、売却に伴うラインナップの変更で『クラウンプリンス』と『オールドセラー』の2つは今回入荷の2018年ヴィンテージを持って終売。
日本では特に人気の高かったこの2つがひと足先に無くなってしまうと言うのはとても残念です。
兼ねてから跡継ぎのいないフィリップ氏には以前からワイナリーの売却話がありました。後継者と思われる人物もいましたが最終的には、ブルゴーニュのドメーヌ・フーリエが購入。名前は残り、飲み続けられるのは嬉しい事ですが、フィリップが居なくなるのは寂しい限り。
オーストラリアワイン好きなわたくしトリイもオーストラリアのピノノワールなら1、2を争うお気に入りのバス・フィリップ。それなりにいい価格なんで何度も飲んだわけではありませんが、飲む度に「やっぱり違うなぁ~」と美味しさを実感。ブルゴーニュのマネでもなく、新世界ワインで思われがちなジューシーなふくよかさとも違う、深く染み込んでいくような美味しさ。2018年とまだ若いヴィンテージなので、しばらく手元に置いてから飲みたいワインではありますね。
これが最後とは。
今回はそんな名残惜しいラストヴィンテージが入荷です。
※2021.4.15現在の価格です(変動がございます事ご了承ください)
※表示価格はすべて税込です
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複数本買ってじっくり飲みたい。ラストヴィンテージ
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【ラストヴィンテージ】
■バス フィリップ ワインズ オールド セラー ピノノワール[2018]
販売価格 5,698円
オールド・セラーは、バスフィリップが所有する全体のブドウ畑からブレンドされており、そのほとんどが最も若い樹齢のブドウ樹から収穫されています。
しっかりとした酸も備えたフレッシュで軽やかなピノノワールです。フィニッシュには、非常にドライなタンニンの渋みを感じ、早飲みに向いていても単純な味わいではないことが余韻から感じられます。抜栓から1~2時間経つと味わいに果実の力強さを感じるようになり、果汁の濃さをくちいっぱいに感じられるスタイルへと変化します。
【ラストヴィンテージ】
■バス フィリップ ワインズ オールド セラー シャルドネ[2018]
販売価格 5,698円
オールド・セラーは、バスフィリップが所有する全体のブドウ畑からブレンドされており、そのほとんどが最も若い樹齢のブドウ樹から収穫されています。
冷涼気候のブドウに備わる特徴をすべて表現しており、最初はフレッシュな酸味を感じます。柑橘類のニュアンスが中盤から桃やアプリコットの核果実へと変化、余韻には柔らかいナッツのフレーバーが口の中に続きます。バス・フィリップのワインとしては珍しく、熟成させずに早飲みに向いたシャルドネです。
【ラストヴィンテージ】
■バス フィリップ ワインズ クラウン プリンス ピノノワール[2018]
販売価格 8,976円
《ワイン・アドヴォケイト:90点》
バス・フィリップの中でも人気なのがこのクラウンプリンス。プラムやブラックベリーのダークフルーツの豊かな香りに、スパイスの複雑味が隠れています。完熟した果実味、さくらんぼの種のような渋みと酸味、クリーンなフィニッシュが口いっぱいに広がります。タンニンは非常に軽め。炭焼きのお肉やチャーシューと合わせるのがおすすめ。
■バス フィリップ ワインズ プレミアム ピノノワール[2018]
販売価格 33,660円
《ワイン・アドヴォケイト:93点》
バスフィリップ・ワインのフラッグシップ。
パワフルで複雑なベリーの味わいが感じられ、エレガントで滑らかなテクスチャーが口の中に広がります。タンニンや酸がワインの骨格を作り、長期熟成をしてからの変化が非常に楽しみな1本です。
■バス フィリップ ワインズ エステイト ピノノワール[2018]
販売価格 14,850円
《ワイン・アドヴォケイト:91点》
バスフィリップ ワインズの代表作です!
赤いベリー系果実の柔らかなアロマ、繊細な赤い花びら、香ばしいスパイスと土のアクセントを感じます。口に含むとフレッシュなチェリーとあとからヴァニラの芳醇な風合い。味わいは丸みを帯びていて、酸度と果実味やタンニンが非常にバランスの取れた味わいです。果実味だけではなくエッジの効いたミネラルを備え、飲み飽きない完成されたピノノワールです。
■バス フィリップ ワインズ エステート シャルドネ[2018]
販売価格 9,504円
《ワイン・アドヴォケイト:92点》
熟したシトラス・アプリコットや白桃の果実の厚みを感じます。メロンやナッツなどの樽由来のフレーバーが見事に調和し、奥行きのあるワインに仕上げています。ワインに必須の酸も感じられ、非常にバランスが良いです。温度が上がるとハチミツのような自然な甘みが現れます。
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アンリ・ジャイエに魅了され始まったワイン造り。
1970年当時オーストラリアでピノノワールが栽培されている事はほとんどなく、所有していた畑もほとんどがカベルネとメルロ。それを抜き取り、ピノノワールに植え替えます。この時点でオーストラリアでのピノノワールの先駆者となります。
畑の大きさはわずか10エーカー(大体陸上競技の400mのトラック4個分)。これが後々、オーストラリアだけでなく、ブルゴーニュはもちろん世界のTOPピノノワール生産者と並ぶ名声を得ます。
1979年にオーストラリアの南東ギップスランド地域で高品質なピノノワールとシャルドネを造り始めます。オーガニック栽培は、1993年から慣習化され、ビオディナミは2002年から取り組んでおり、世界を見渡しても早くから取り入れていました。
バスフィリップでのワイン作りは品質に伴う経験値という情熱と成長過程で細部にわたる注意力から導かれており、時にはエーカーあたり1トン以下という非常に少ない収量、区画毎に分けられたワインの生産量もわずか数百ケースのみ。本当に作柄の良かった年にだけ一樽分のみのリザーブワインが瓶詰めされるといったようなこともあります。
オーストラリアで長年に渡り、最高峰のピノノワールとして認められているバスフィリップのワイン。複雑味や余韻の長さ、力強さと繊細さのバランス、そして10年以上に及ぶ熟成のポテンシャルが現われるワインと称されています。
そんなワインもこのヴィンテージでひと区切り。
ブルゴーニュのフーリエの元で新たなスタートを切るのも楽しみですが、フィリップこだわりを味わえるのもこれが最後になります。
長期の熟成にも耐えられるワイン。可能であれば複数本かって時間を掛けて飲みたいですね。
『バス フィリップ ワインズ』
https://winestore.jp/c/gr411/australia/aus6/2013
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