バス フィリップ ワインズBass Phillip Wines
バス フィリップ ワインズの早わかりポイント
- 2023年、最新のオーストラリアワインの格付けでリザーヴ・ピノノワールが最高評価21本中のひとつに選出
- 間違いなくオーストラリアで生産されている最高級のピノ・ノワールby ロバート・パーカー
- ワイン評論家ジェームス・ハリデーが5ツ星ワイナリーに認定し、手がけたワインに創刊以来初めて99点を授与
- 『自然の力をあるがままに』受け入れるアンリジャイエに影響を受けたワイン造り
オーストラリアで最高峰のピノノワールの造り手
バスフィリップは、メルボルンから南東150kmの海沿いにあるワイン産地、ギップスランドで高品質のピノノワールとシャルドネを手掛けるプレミアムワイナリーです。
バスフィリップのワインは、若くても素晴らしいワインですが、熟成が進むにつれて風味が増し、奥行きのある味わいに開花していきます。
ワイナリーの名“バスフィリップ”はオーストラリアで18~9世紀に活躍した二人の偉人に由来。一人は、ニュー・サウスウェールズ州の初代総督であり、オーストラリアの地に初めて葡萄の苗を持ち込んだアーサー・フィリップ。そしてもう一人は18世紀にオーストラリアを探った探検家ジョージ・バスです。
開拓者精神溢れる二人の偉人から名付けたバスフィリップは、図らずも『オーストラリアで最高峰のピノノワールの造り手』として数多くのワイン評論家から支持を受けるワイナリーに成長。
2005年には、オーストラリアのオークションハウス“ラングトン” が発表したオーストラリアワイン格付けではピノノワールで唯一となる最高評価を獲得しました。
2023年に改定された第8版においてもその評価は健在で、バスフィリップ・リザーヴ・ピノノワールは最高評価に選出された21本の中の1本に選ばれています。
2020年、創設者フィリップ・ジョーンズは高齢の為、バスフィリップを譲渡することを発表。チーフ・ワインメーカーには、熱狂的な人気を誇るブルゴーニュの生産者ドメーヌ・フーリエを手掛け、“世界で最も尊敬される作り手の一人”とされるジャン・マリー・フーリエが就任しています。
オーストラリアの最高峰ピノノワールに、ブルゴーニュの人気生産者が加わることでどんな化学反応が起こるのか。今、世界中が“新生バスフィリップ”に注目しています。
バス フィリップ ワインズに対する世界的評価
バス フィリップのワインは、世界的にも高い評価を受けています。
ワイン評論家ロバート・パーカーは『間違いなくオーストラリアで生産されている最高級のピノ・ノワール』と評し、オーストラリアのワインライター、ジェレミー・オリバーは著書The Australian Wine Annual 2009の中でその希少性を『友達からの評判を悪くしたければ、バフィリップを飲んだことを自慢すればいい』とまで語っています。
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“ラングトン”豪州ワイン格付け“最高評価”
2005年にオーストラリアのオークションハウス“ラングトン” が発表したオーストラリアワインの格付けでは、バスフィリップ・リザーヴ・ピノノワールを、最高評価の“エクセプショナル”と評価しました。これは、ピノノワールとしては唯一の選出であり、あのペンフォールズ・グランジやヘンチキ・ヒル・オブ・グレースなどと並ぶ偉業です。
2023年に改定された第8版においてもその評価は健在で、バスフィリップ・リザーヴ・ピノノワールは最高評価“First Classified”21本の中の1本に選出。
それだけでなく、バスフィリップ・プレミアム・ピノノワールとバスフィリップ・プレミアム・シャルドネは、二段階目の評価“Classified”に格付けされています。
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DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)とのブラインドテイスティングに勝利
2011年、ブルゴーニュワイン評価の権威アラン・メドウ氏がシンガポールで開催したピノノワールのテイスティング イベント“DRC verses the World”。
ロマネ・コンティを含むアメリカ、ニュージーランド、オーストリア、オーストラリアのワイン15本をこのイベントで試飲した結果、ロマネ・コンティを押しのけてバスフィリップ・リザーブ2003が最も好まれたワインに選ばれました。
このイベントのチェアマンのカーティス・マーシュは、『オーストラリアでは素晴らしいピノノワールは造れないという誤った情報に対抗する価値ある結果だった』と語っています。
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ワイン評論家ジェームズ ハリデーのワイン・オブ・ザ・イヤー受賞
2012年、著名なワイン評論家ジェームズ ハリデーが年に一度発表しているオーストラリアを代表するワインガイド“ジェームス・ハリデー・ワイン・コンパニオン”において、リザーヴ ピノノワール 2010がワイン オブ ザ イヤーを受賞しました。しかも得点は創刊以来初めての99点!
また、2016年には プレミアム ピノノワール2014 がオーストラリア ピノ ノワール オブ ザ イヤーを受賞。2019年にはリザーヴ ピノノワール2017が99点を獲得して『オーストラリアTOP100ワイン』に選出されました。
もちろんワイナリーとしての評価も高く、ジェームス・ハリデー五つ星を獲得しています。
バス フィリップの歴史
1979年にフィリップ・ジョーンズ氏によって設立されたバスフィリップ。
今ではバスフィリップと言えばピノノワールやシャルドネが有名ですが、ワイナリー設立当初は、フィリップ・ジョーンズ好みの“ボルドーのデュクリュ・ボーカイユ”を目指して、畑にカベルネソーヴィニヨンやメルロー中心のブドウ樹を植えていました。
しかし、この場所はボルドー品種にとってはすこし冷涼過ぎました。
実際にブドウの樹を育ててみると、ボルドー系品種は思うようには育たず、一緒に少量だけ植えたピノノワールやシャルドネのほうがすくすくと成長したのです。
やがて、フィリップ・ジョーンズは“ブルゴーニュの神様”アンリ・ジャイエを筆頭としたブルゴーニュワインに魅せられピノノワールの可能性を追い求めるように。 フィリップ・ジョーンズの畑に植えられていたブドウの樹は、ピノ・ノワールとシャルドネ、そして少量のガメイに植え替えられました。
バスフィリップ・ワイナリーの創設から数年間はなかなか結果が出せずに苦労しましたが、1984年にようやく最初のピノノワールを醸造。そこから更に研究を重ね、市場に出回りだしたのは、7年後の1991年でした。ワイナリー設立から数えると、12年もの長き月日が経過していました。
それ以来バスフィリップのワインは、オーストラリア内外で最高の評価を獲得。小さかった畑は、過去25年間で14ヘクタールまで拡大し、まるでブルゴーニュの小さなドメーヌのように成長しました。
長年の功績から既にオーストラリアワイン界のレジェンドとしての地位を築いたフィリップ・ジョーンズ。しかしながら、家族に後を継ぐ者がおらず、74歳という年齢もあったためバスフィリップを譲渡することを発表しました。
新たな所有者はブルゴーニュの人気ドメーヌ・フーリエのヴィニュロン、ジャン=マリー・フーリエらのグループ。“世界で最も尊敬される作り手の一人”とされるジャン・マリー・フーリエは、現在バスフィリップ・ワインのチーフ・ワインメーカーとして、ブドウ畑の管理やワインの醸造に携わっています。
ジャン・マリー・フーリエは、バスフィリップのコンサルタントとして栽培醸造に関わったことがあるため、フィリップ・ジョーンズとはもともと知り合い。また、二人ともアンリ・ジャイエに影響を受けたという共通点があります。
さらに、フーリエは、米・オレゴン州でのワイン造りを経験があるため、ブルゴーニュだけでなく、新世界でのワイン造りにも大いに期待が持てます。フーリエ氏が加わったバスフィリップの新たな進化が楽しみでなりません。
バスフィリップ・美味しさの秘密
多くの人々から賞賛を受ける偉大なワインは、ブドウ畑やワイナリーでの細部に渡る徹底したこだわりから生まれます。バスフィリップの手がけるワインの美味しさとは、時として狂気を伴うような徹底した完璧さを追求した結果なのです。
量より質をとった『超』低収穫のブドウ
"質は量に勝る "の言葉を体現するように、バスフィリップの畑におけるブドウ収穫量はごくわずか。オーストラリアでの平均収穫量が1エーカーあたり2~4トンのところ、バスフィリップでは1エーカーあたり1~1.3トンしか収穫しません。
この方法は、ブドウの樹が1本からボトル半分のワインしか造ることができないため、決して効率的な方法ではありません。しかしながらブドウの樹1本1本に含まれる高い香り、しっかりとした味わい、複雑性やミネラルなど、バスフィリップのワインが得るものは決して少なくないのです。
ワイン造りは『自然の力をあるがままに』
バスフィリップのワイン造りの真髄は、「自然の力をあるがままに」受け入れること。可能な限り人の手を加えないことを信条としています。
ブドウ栽培では灌漑をせず、農薬や肥料は使用していません。畑は1993年から有機栽培に、2002年からは認証取得していませんがバイオダイナミック農法で管理されています。
醸造工程では天然酵母を使用。清澄剤は使用せず、ろ過は最小限に留めています。ワインに負荷がかかり質感が低下するのを防ぐため、ポンプの使用は抑えるように心がけています。
サウス・ギップスランドの理想的な環境
ワインを美味しく造るには、土地の環境や気候はとても重要です。
南ギップスランド地域は、火山性ミネラルに満ちた深いシルトローム土壌に恵まれ、水はけが良くブドウは根を深く張ってくれます。
また、降雨量は年間1000mmあるため、今までに干ばつの被害は無くバスフィリップの灌漑をしない栽培方法にも適しています。
夏場には気温は摂氏30度半ばまで上がります。しかし午後遅くには、オーストラリア大陸とタスマニア島を隔てるバス海峡から冷たい空気が伝わるため、日夜の寒暖差を伴う冷涼な気候が保たれています。
ミネラル豊富な土壌、十分な水分量、そして冷涼な気候が非常に重要な要素であり、バスフィリップのピノノワールやシャルドネに複雑味やしっかりとしたフレーバー、引き締まった自然な酸とミネラル感をもたらすのです。
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