こんにちは、オンラインワッシーズ制作のクロカワです。
2026年3月3日。
春の訪れとともに、大阪で開催された「カリフォルニアワインAliveテイスティング2026」に参加してきました。
例年、このイベントで行われるセミナーでは、特定の産地ひとつにスポットを当てて深く掘り下げるのが恒例です。しかし、今年は歴史的な節目が重なる特別な年。「米国建国250周年記念」、そしてカリフォルニアワインの運命を変えた伝説の出来事「パリスの審判」から50周年。
この二つの大きなアニバーサリーを祝し、『パリスの審判から未来に続く道標(The Legacy of the Judgment of Paris)』と題された特別セミナーが開催されました。
講師として登壇されたのは、アメリカから招聘されたイレイン・チューカン・ブラウン(Elaine Chukan Brown)さん。

アラスカで生まれ育ち、わずか9歳でサケ漁に従事。13歳で自身の漁業ビジネスを立ち上げたというバイタリティの持ち主です。その後は、学問の世界へ転身し、ダートマス大学やマギル大学といった名門校で哲学を修め、大学で教壇に立っていたそう。
そんな異色の経歴を持つ彼女ですが、2012年にワインの執筆を始めると瞬く間に頭角を現しました。現在は世界的なワインサイト『JancisRobinson.com』の米国担当主幹編集者や英国『デキャンター』誌のコラムニストを務める、現代ワイン界を代表するジャーナリストの一人です。
ワイン界の聖書『オックスフォード・コンパニオン・トゥ・ワイン』等の執筆にも携わり、2025年には自著『ザ・ワインズ・オブ・カリフォルニア』を出版。業界の多様性を支援する「バトナージュ・フォーラム」の理事も務めるなど、その鋭い分析力と哲学的な視点から紡ぎ出される言葉は、世界中のプロフェッショナルを魅了しています。
当日は2時間にわたり、10種類ものワインをテイスティングしながら、過去から未来へと続くカリフォルニアの歩みが語られました。このブログでは、その膨大なエッセンスを皆様により分かりやすくお届けするため、あえて時系列通りではなく、テーマごとに再構成してその「道標」を紐解いていきます。
「パリスの審判」をざっくりおさらい

本題に入る前に、まずは今回のテーマの鍵となる「パリスの審判」について、簡単におさらいしておきましょう。
1976年5月24日、パリでワインの世界を根底から覆す歴史的な出来事が起きました。それが「パリスの審判(パリ・テイスティング)」です。
当時、ワイン商でありワイン学校の創設者でもあったイギリス人のスティーヴン・スパリアー氏が、アメリカ建国200周年を記念して、フランスのボルドーやブルゴーニュの超一流ワインと、カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネの比較試飲を企画しました。
審査員は、フランスワイン界で最も権威のある専門家たち。ラベルを隠した「ブラインド・テイスティング」で行われたこの試飲会に、彼らは「フランスワインが負けるはずがない」という絶対の確信を持って臨みました。
しかし、その結果は世界中に衝撃を与えることになります。
🏆️白ワイン部門1位:シャトー・モンテレーナ(カリフォルニア)
🏆️赤ワイン部門1位:スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ(カリフォルニア)
なんと、赤・白の両部門でカリフォルニアワインが、フランスの五大シャトーや名門ブルゴーニュを抑えて優勝してしまったのです。
●白ワイン部門
- シャトー・モンテレーナ 1973(USA)
- ムルソー・シャルム・ルーロ 1973(France)
- シャローン・ヴィンヤード 1974(USA)
- スプリング・マウンテン 1973(USA)
- ボーヌ・クロ・デ・ムーシュ(ジョセフ・ドルーアン)1973(France)
- フリーマーク・アビー 1972(USA)
- バタール・モンラッシェ(ラモネ・プリュードン)1973(France)
- ピュリニー・モンラッシェ・レ・ピュセル(ドメーヌ・ルフレーヴ)1972(France)
- ヴィーダークレスト 1972(USA)
- デイヴィッド・ブルース 1973(USA)
●赤ワイン部門
- スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ 1973(USA)
- シャトー・ムートン・ロートシルト 1970(France)
- シャトー・オー・ブリオン 1970(France)
- シャトー・モンローズ 1970(France)
- リッジ・ヴィンヤーズ・モンテ・ベロ 1971(USA)
- シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ 1971(France)
- マヤカマス・ヴィンヤーズ 1971(USA)
- クロ・デュ・ヴァル 1972(USA)
- ハイツ・マーサズ・ヴィンヤード 1970(USA)
- フリーマーク・アビー 1969(USA)
このニュースは米『タイム』誌によって世界中に報じられ、それまで無名だったカリフォルニアワインを一躍、世界の表舞台へと押し上げました。
革命前夜1970年代に起きていたカリフォルニアの変化
パリスの審判での劇的な勝利。それは決して、一夜にして起きた「まぐれ」ではありませんでした。イレインさんは、その背景には当時のアメリカ社会、特にカリフォルニアで起きていた「食とライフスタイルの大きなうねり」があったと語ります。
「ファーム・トゥ・テーブル」の誕生
1970年代、カリフォルニアでは食に対する全く新しい視点が芽生え始めていました。今では当たり前となった「地産地消」や「旬の食材」という考え方ですが、当時は画期的なことでした。
その中心にいたのが、バークレーの名店「シェ・パニース」の創設者、アリス・ウォータースです。彼女はフランスで体験した「新鮮な旬の食材を大切にする文化」をアメリカに持ち帰り、「ファーム・トゥ・テーブル(農場から食卓へ)」という概念を広めました。
この「素材そのものの個性を尊重する」という姿勢が、のちのカリフォルニアワインの哲学にも深く根ざしていくことになります。
「土地への回帰」ムーブメント
時を同じくして、アメリカ全土で「土地への回帰(Back to the Land)」という大きなムーブメントが起こりました。
「自分たちを支えてくれる土地で暮らし、自らの手で食べ物を育てたい」という情熱を持った人々が、次々と農業に飛び込み、その流れの中でワイン造りを始めたのです。
驚くべきことに、1970年代末のナパ・ヴァレーには、ワイナリーはまだ30軒にも満たない数しかありませんでした。当時のナパは今のような高級ワインの聖地ではなく、プルーンやプラム、クルミなどの果樹園が広がり、牛が飼育されているようなのどかな農地に過ぎなかったのです。
パリスの審判が変えた「3つのこと」
パリスの審判は、単にカリフォルニアワインが脚光を浴びただけの出来事ではありませんでした。イレインさんは、この歴史的勝利が世界のワインのあり方を根本から変えた「3つの重要なポイント」を挙げました。
「地名」から「ブドウ品種」へ
最大の変化は、ワインを評価する基準が、フランス伝統の「地名や村名(モンラッシェ、ボルドーなど)」から、「ブドウ品種(シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン)」そのものへとシフトしたことです。
それまでは「最高級のワインはフランスの特定の土地からしか生まれない」と信じられていました。
しかし、パリスの審判でカリフォルニア産の品種が勝利したことで、人々は初めてラベルに書かれた「名前」ではなく、グラスの中にある「ブドウそのもののポテンシャル」に目を向けるようになったのです。
「フランス絶対主義」の終焉と「新世界」の台頭
パリスの審判は、ワインの世界地図を大きく広げました。「フランスワインが世界最高である」という絶対的な信念が揺らいだことで、カリフォルニアだけでなく、「新世界(ニューワールド)」と呼ばれる産地全体に光が当たったのです。
「カリフォルニアでこれほど素晴らしいワインが造れるなら、自分たちの国でもできるはずだ」。この確信は、チリ、アルゼンチン、オーストラリアといった「新世界」の生産者たちに大きな勇気を与えました。
それまで大量生産品が中心だったこれらの国々が、世界に通用する「高級ワイン」造りへと舵を切るきっかけとなったのです。
生産者に与えた「自信」と「挑戦の精神」
この勝利は、カリフォルニアの生産者たちに、自分たちが信じて進んできた道が正しかったという「確固たる自信」を与えました。
この自信は、単なる成功の安住には繋がりませんでした。むしろ、「シャルドネやカベルネで成功したなら、他の品種やもっと過酷な土地でも素晴らしいワインが造れるはずだ」という、さらなる探求心と挑戦の精神に火をつけたのです。
今日私たちが楽しめるカリフォルニアワインの驚くべき多様性は、まさにこの時に得た「自信」という遺産(レガシー)から生まれています。
【光と影】失われかけた「ルーツ」への敬意
パリスの審判での勝利は、カリフォルニアを世界のトップへと押し上げました。しかし、急激な成功には「光」があれば必ず「影」も伴います。
カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネがスター品種として脚光を浴びる一方で、カリフォルニアで100年以上の歴史を刻んできた大切なルーツが、存亡の危機にさらされることになったのです。
成功の影で起きた「古樹」の悲劇
今でこそ「カリフォルニアといえばカベルネ・ソーヴィニヨン」というイメージが定着していますが、実はナパ・ヴァレーでカベルネが栽培面積1位になったのは、わずか20数年前の1997年のことです。それ以前に最も多く栽培されていた品種は、ジンファンデルやプティ・シラーといった品種でした。
しかし、パリスの審判以降、世界的なカベルネ・ブームが押し寄せます。ビジネスとして成功するために、多くの農家が100年を超える貴重なジンファンデルの古樹を引き抜き、代わりに高値で売れるカベルネやシャルドネに植え替えていきました。
120年の歴史を「保護」する次世代の動き
今、カリフォルニアではこの「失われかけた歴史」を再評価し、守り抜こうとする動きが加速しています。守り抜こうとする動きが加速しています。その象徴的な1本として今回のセミナーで登場したのが、「ランゲツインズ」のジンファンデルです。
彼らが拠点を置くロダイという産地には、1850年代のゴールドラッシュ時代から続く深い歴史があります。ランゲツインズは、同じく100年以上この地でブドウを育ててきたルイス・ファミリーと信頼関係を築き、樹齢約120年にもなるジンファンデルの古樹を保護するために契約を結び、ワインを造り続けています。
現代のカリフォルニアワインの多様性は、単に新しい品種に挑戦するだけでなく、100年、120年と続く古樹を守り、その歴史と哲学を現代に繋いでいくことによって、さらに深みを増していくのです。
カリフォルニアの現在地:多様性とサステナブル
パリスの審判から50年。今のカリフォルニアは、かつての「フランスの背中を追う産地」から、独自の価値観を語るフェーズに到達しています。
新たな手法への果敢な挑戦
パリスの審判で得た最大の遺産である「自信」は、今、カベルネやシャルドネといった成功体験のある品種を超えて、さらなる探求へと繋がっています。
例えば、セミナーで最初に提供された、ガリカは古くからのワイン産地として知られるシエラ・フットヒルズにおいて、カリフォルニアでは2000年代に入ってから造られ始めた「アルバリーニョ」からワインを手がけています。
また、2つめの提供ワイン「アルマ・デ・カトレア」のワインは、ピノ・ノワールの聖地として知られるロシアン・リバー・バレーで、ボルドーを象徴する白ブドウ「ソーヴィニヨン・ブラン」です。
セミナーて提供されたこの2つのワインは、カリフォルニアにおける“想定されていない品種を試したり、生育が期待されていない地域に植えたりする”挑戦心を表しています。
当然、これらの品種はパリ・テイスティングには含まれていませんでしたが、「カリフォルニアワインが世界で通用する」という50年前の確信が、予想もしなかった場所での挑戦を支える原動力となっているのです。
次世代が描くアイデンティティ

今のカリフォルニアを語る上で欠かせないのが、造り手たちの多様なバックグラウンドです。その象徴として紹介されたのが、サン・ベニート・カウンティに拠点を置くワイナリー「カミンズ・トゥ・ドリームス(Camins 2 Dreams)」。
共同オーナーの一人、タラ・ゴメス氏は、米国初のネイティブアメリカンの女性ワインメーカーです。彼女たちのワインのラベルには、ネイティブアメリカンによって製造/生産された商品であることを証明する特別なマークがつけられています。
アラスカ先住民のルーツを持ちながら、女性ワイン専門家を支援する「バトナージュ・フォーラム」の理事を務めるなど、まさに「多様性(ダイバーシティ)」を体現されているイレインさんだからこそ、多様なバックグラウンドを持つ人々が、自分たちの物語を自由に表現し始めた今の姿を、私たちに伝えたかったのだと感じます。
サステナブルの先へ:再生型農業への取り組み
環境への配慮も、もはや当たり前の基準となりました。カミンズ・トゥ・ドリームスがのワインで使われる「パイシーンズ・ランチ」のブドウ畑では、土壌をより健康な状態へと再生させる「再生型農業(リジェネラティブ・アグリカルチャー)」という最先端の手法が取り入れられています。
ここでは一年中、羊をブドウ畑に放牧しています。羊が雑草を食べ、土壌を耕し、自然な肥料をもたらすことで、人間の介入を減らしながら生態系を豊かに保っているのです。
また、ハーシュ・ヴィンヤーズは、ソノマの険しく人里離れた山奥で有機農法やバイオダイナミック農法を実践してきた先駆者です。彼らの精神は、次世代へと確実に受け継がれています。
閑話休題:パリスの審判の裏にあるロバート・モンダヴィのDNA

今回のセミナーを振り返る上で、どうしても外せない一人の人物がいます。カリフォルニアワインの父、ロバート・モンダヴィです。
実は1976年のパリスの審判において、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーのワインは一本も出展されていません。しかし、彼の存在は、あの勝利にも強い影響をもたらしていました。
驚くべきことに、パリスの審判で1位に輝いた二人の醸造家は、いずれもモンダヴィ・ワイナリーの出身者でした。
赤ワイン部門1位(スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ): 創設者のウォーレン・ウィニアスキー氏は、モンダヴィの下で働いた最初のワインメーカー。
また、白ワイン部門1位(シャトー・モンテレーナ): 醸造責任者のマイク・ガーギッチ氏も、シャトー・モンテレーナでワインを手掛ける前は、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーので醸造責任者でした。
モンダヴィ・ワイナリーは、単にワインを造る場所である以上に、ナパ・ヴァレーの何世代にもわたる造り手たちにとっての「重要な研鑽と学びの場」でした。そこで培われた技術や哲学が、わずか数年で世界を凌駕する偉業へと繋がっていったのです。
結び:パリスの審判は「終わり」ではなく「始まり」だった
パリスの審判から50年。
あの劇的な勝利は、カリフォルニアワインにとってのゴールではありませんでした。むしろ、世界中の生産者に「自分たちの土地を信じる勇気」を与え、ワインの多様な未来を切り拓いた「壮大な物語の始まり」だったのです。
イレインさんのセミナーを通じて私たちが受け取ったのは、過去の栄光だけではありません。120年の古樹を守る誠実さ、自らのルーツを誇る勇気、そして未知の土地や品種に挑む果敢な精神。そのすべてが混ざり合い、今のカリフォルニアワインの輝きを形作っています。
50年前、パリで示された道標。それは今もなお、私たちを新しく、そして心躍るワインの世界へと導き続けています。
【付録】セミナーを彩った10種のワイン・ダイジェスト

ガリカ / ロリック・ヘリテージ・アルバリーニョ 2019
古くからの産地シエラ・フットヒルズで造られる、2000年代以降の挑戦を象徴するアルバリーニョ。今回特別に古いヴィンテージを分けていただけた。昔は海の底だったため、石灰岩土壌由来のエネルギーとテクスチャーが感じられる。
アルマ・デ・カトレア / ソーヴィニヨン・ブラン 2024
ピノノワールの聖地ソノマで造られるソーヴィニヨンブラン。1960年代まではブドウの品質が悪く、ライムソーダのような甘口ワインを作るのに使われることが多かったカリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランを樽発酵と辛口仕立てで人気のワイン“フュメ・ブラン”したのがロバート・モンダヴィ。
今回の1本は、カリフォルニア産ソーヴィニヨン・ブランがいかに魅力的なものになっているかを示す好例。古樽を使用しているの影響でなめらかなテクスチャで肉厚。同時に、非常に強い酸味も持ち合わせる。
フリーマーク・アビー / シャルドネ 2023
1976年のパリスの審判に、赤・白両方の部門で選出された唯一のワイナリー。程よくクリーミーながらも酸味があり、抑制の効いたエレガントなスタイルを今に伝えます。
シャトー・モンテレーナ / ナパ・ヴァレー・シャルドネ 2020
パリスの審判・白ワイン部門優勝ワイン。マロラクティック発酵を行わない伝統的な手法を今も守り続け、凛とした美しい酸を表現しています。
1980年代のカリフォルニアは、非常に力強く、オーク樽の風味が豊かで、濃厚でリッチなシャルドネが主流となった時代でした。しかしこの2つのワインは、しっかりとした酸味を持つカリフォルニア産シャルドネへの昔ながらのこだわりと、シャルドネがいかに洗練され続けてきたかの両方を表しています。
ハーシュ・ヴィンヤーズ / イースト・リッジ・ピノ・ノワール 2019
「シャルドネの成功がピノの開拓を後押しした」という歴史を象徴。
ソノマの人里離れた山奥でバイオダイナミック農法を実践する先駆者です。2019年は、創業者デイヴィッド・ハーシュの娘・ジャスミンが初めてワインメーカーを務めた年。また、フィロキセラの影響で1980年代初頭から自根栽培されていたイーストリッジの古いブドウの木が使えなくなり最後のヴィンテージとなってしまった特別な意味をもつヴィンテージ。
7年の熟成で旨味が増しながらも、非常にピュアな野生の果実の風味も感じられます。
テラ・ワイン・カンパニー / バルベーラ 2024
ピノノワールのカリフォルニア成功により、カリフォルニアでも軽やかでフレッシュな赤ワインが成立することが証明され、同様のスタイルを目指した多様な品種の開発が進んだことを象徴。新しい品種やスタイルへの探求心が生んだ、食卓に寄り添う1本です。
非常に明るく、酸味が高く、ミディアムボディでありながら、ハーブや森の要素も感じられる、アメリカで人気が高まっているスタイルのワインです。
カミンズ・トゥ・ドリームス / パイシーンズ・ランチ・グルナッシュ 2023
ネイティブアメリカンのルーツを持つ醸造家が描く多様性の象徴。一年中羊を放牧する「再生型農業」で、土壌の生命力をワインに込めています。また、グルナッシュは1800年代後半に伝わった品種でありながらも脇役的な役割を担ってきました。近年、その価値が見直されつつあります。
マヤカマス / カベルネ・ソーヴィニヨン 2003
2003年のマヤカマスは、単に熟成期間が長いというだけでなく、フィロキセラの影響で収量が極めて少なかった希少ヴィンテージ。ナパ・ヴァレーの西側に位置するマヤカマス山脈のマウント・ヴィーダーに位置し「山岳カベルネ」という概念を確立した先駆者。標高の高い過酷な地で生まれる深い酸と構造、そして熟成による旨味の広がりを体感させてくれます。
スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ / S.L.V. カベルネ・ソーヴィニヨン 2016
パリスの審判・赤の優勝キュヴェ。豊かな果実味と抑制されたパワーを兼ね備えた逸品です。優勝した1973年ヴィンテージは、ウォーレン・ウィニアスキーがスタッグス・リープの地で植樹したブドウで造る初めてのヴィンテージ。彼は、大学教授でもあったことから、何世代にもわたる、ワインメーカーにとって重要な研修、指導、そして学びの場の一つとなりました。
ランゲツインズ / センテニアル・オールド・ヴァイン・ジンファンデル 2017
樹齢約120年の古樹を保護するために造られたワイン。失われかけたカリフォルニアの歴史と哲学を未来へと繋ぐ1本。豊かでベルベットのような口当たりがありながらも、非常に生き生きとしていて、9年も経っているとは思えないほどです。

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