ジリー・ワインズのローン・レンジャーは、ワインメーカー/ジャレッド・ディクソンの個性と美学が色濃く表れたシリーズです。
■テイスティング・コメント
オレンジとピンクが混じるような美しい色調で、旨味たっぷりの味わいです。グレープフルーツジュースを思わせる風味が印象的で、加えてネクタリンや紅玉りんごを連想させる果実味が広がります。タイム、ローズマリー、ミントといったハーブの香りも感じられ、ほどよいタンニンが全体を引き締めています。
■栽培について
オーストラリアのニューサウスウェールズ州内で収穫したブドウを使用しています。
■醸造について
ブドウの30%はステンレスタンクでスキン・コンタクト、残りは古樽で発酵・熟成。その後ブレンドし、2~5年使用の古樽で澱とともに熟成されます。ボトリング時にSO2(酸化防止剤)を、ごくわずか添加(10ppm以下)しています。
■ジリー・ワインズについて
ジリー・ワインズは、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州クルーンズに拠点を構える注目のワイナリー。オーナー兼ワインメーカーであるジャレッド・ディクソン氏が、自然の力を尊重し、土地の個性を最大限に引き出すナチュラルワインを手がけています。
「ワインはその瞬間と場所を映し出すもの」という信念のもと、ジリー・ワインズのワインはすべて天然酵母で発酵され、清澄や濾過は行わず、瓶詰前のごく少量の酸化防止剤以外は一切の添加物を使用しない、限りなくピュアなスタイルです。
使用されるブドウは、冷涼な高地から温暖な平地まで多様なテロワールを持つニューイングランド地域を中心に、ニューサウスウェールズ州内の厳選された畑からも調達されています。さらに2019年にはクルーンズに自社畑を植樹し、2022年には初収穫を迎えるなど、新たな挑戦も続けています。
また、ジリー・ワインズは環境への配慮も徹底しており、太陽光による自然エネルギーの活用、廃棄物の堆肥化による畑への循環など、持続可能な農業を実践しています。
ジャレッド氏は自身を「ローン・レンジャー(Lone Ranger)」になぞらえ、流行や大量生産に頼らず、自らの感性と経験を頼りに畑を歩き、ワインを仕立てています。その自由で独創的な姿勢こそが、ジリー・ワインズの魅力の核となっています。
ワイナリー名「ジリー」は、ジャレッド氏の曽祖父の愛称に由来。英国・カンブリアの地で“白い狼”と呼ばれた伝説の人物の名が、今もワイン造りに息づいています。
自由で表現豊か、どこか遊び心も感じさせるジリー・ワインズの世界を、ぜひグラスの中でお楽しみください。
- Jilly Wines Lone Ranger Pinot Gris[2022]
- オーストラリア/ニューサウスウェールズ
- スティル ワイン色: オレンジワイン甘-辛: 辛口
- ピノグリ100%
- 750ml