すっきり分かりやすく伝えるピノノワール特集

ピノノワールは、多くのワイン愛好家を魅了して止まない赤ワインの人気品種。ワインをある程度飲んだことがあれば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
あまりワインに詳しくはない方でも、フランスを代表する超高級ワイン『ロマネコンティ』の名前は聞いたことはありませんか?実は『ロマネコンティ』の赤ワインもピノノワールを使った代表的なワインの一つなんです。
今回の特集では、ピノノワールの特徴や魅力から、世界に点在する銘醸地で評判のピノノワール生産者、ピノノワールを使ったおすすめのワインをすっきりわかりやすくお伝えいたします。ピノノワールの多彩な魅力をどうぞお楽しみください。
目次
ピノノワールはこんな方におすすめ
- タンニン(渋み)が強い
赤ワインはちょっと苦手 - 赤ワインは飲みごたえより
エレガントさ重視 - ほどよく酸味の効いた
赤ワインが好き
ピノノワールとは?

ピノノワールはブルゴーニュ地方を代表する赤ワイン用ブドウ品種。果皮が薄く、小ぶりの果実が密集して小さな房状に実ります。
気候や土壌、生産者のスタイルで味わいは様々ですが、一般的にはチェリーやラズベリーといった果実のフルーティさや、繊細でエレガントな印象がピノノワールの特徴と言えます。
栽培が困難で相性の良い産地以外では本領を発揮することが難しいため、ピノノワールは最も気まぐれで気難しいブドウ品種として知られています。長い間ブルゴーニュ以外でピノノワールを栽培することは困難だとされていましたが、栽培技術や醸造技術の向上した現在では、高品質のピノノワールを造る産地は世界中に広がっています。
ワイン専門店が選ぶ
おすすめピノノワール6本はコレ!!
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アラン スコット ピノノワール ブラック ラベル マールボロ 2020
2000円台ながらも有名ワイン誌で92点を獲得した安旨ピノ!赤い果実の風味たっぷりですが、決して甘すぎることはなく、チョコレートを思わせるほろ苦さとコクが、果実の甘みと程よく調和し、奥行きのある味わいです。とろりと優しい口当たりとジューシーな飲み心地は満足感抜群。ワインスペクテイター:92点 ニュージーランド
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デヴィルズ コーナー
レゾリューション
ピノノワール 2017手掛けるのはオーストラリア国内No.1人気を誇るタスマニアワインブランド“デヴィルズ・コーナ-”。最高の区画から収穫したピノノワールだけで造るこのワインは、凝縮した赤いベリーの果実を中心に、杉、梅、スパイスの香りが広がるジューシーな味わい。滑らかなタンニンと酸味のバランスが良く、心地良い余韻が後に続きます。オーストラリア
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クリストム ヴィンヤーズ ピノノワール ウィラメット ヴァレー 2020
2020年、クリストムでは山火事の影響を大きく受け、通常造っている全てのピノノワールの醸造を断念しました。この窮地を脱するため造られたのがこのワイン。猛暑に苦しんだ2003年以来、2度目のリリース。クリストムの品質に叶う葡萄だけを厳選した限定品で、リーズナブルながらも自社畑のワインがふんだんに使用されています。オレゴン
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アリージア ピノノワール クルーズ マウンテンズ (リース ヴィンヤード)2018
アントニオ・ガローニ氏に「見つけたら迷わず手に入れてほしい」と言わしめたリースが手掛けるセカンド。アリージアにもリースが持つ上品さや、複雑さといった特徴がしっかりと反映。ジューシーでしなやかな口当たりと滑らかでエレガントなタンニンが混ざり合います。
ジェブ・ダナック:93点 カリフォルニア -
ロキオリ エステート ピノ ノワール ロシアン リヴァー ヴァレー 2019
カリフォルニアを代表するぶどう栽培家で醸造家、ロキオリのピノ。自社畑のピノをブレンドしたクラシカルなタイプで、自ら「リッチかつ、きれいな酸味があり、チェリーの色調、わずかなバニラ、余韻のあるベリーのフレーバーを持つ。」と表現する1本です。ワインスペクテイター:94点 カリフォルニア
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レヴィック ピノノワール ラモンド ヴィンヤード ソノマ コースト 2018
試飲会に行った弊社スタッフが「キレイな味わいでおいしい!」と思わず入荷を決めた1本。エレガントでフレッシュなピノです。生産者の二人組のうち一人、フィリップ・ホルブルックの祖母は、あのロバート・モンダヴィの愛妻マーグリット・モンダヴィということも話題になっています。カリフォルニア
価格帯別おすすめピノノワール
5,000円以内のおすすめピノノワール
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ソノマを代表する高級ワイナリーを所有するビル・プライスが手掛けるカジュアルブランドのピノ。涼しい海風と霧を思わせるエレガントさ、フレッシュな酸とチャーミングな赤い果実感が感じられます。(米・カリフォルニア)
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カリスマ的生産者チャールズ・スミスが手掛ける珍しいワシントン産ピノ。野生のイチゴ、アニス、革や杉といった芳しい香りとタバコやパイ皮のフレーバーが複雑な味わい。(米・ワシントン) ジェームス・サックリング:93点
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セントラルオタゴのプレミアムワイナリー“ペレグリン”のセカンドラベル。少しスモーキーな紅茶の葉や、完熟ベリー、甘いスパイスのフレーバーがリッチ。円やかな味わいと、柔らかなタンニンが心地良い。(ニュージーランド)
1万円以内のおすすめピノノワール
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あのリッジが、1971年以来47年ぶり仕込んだピノノワール。熟成に、アメリカン・オークを使ったというのが最大のポイント。リッジといえば、アメリカン・オークを使っていることが特色のひとつですが、ピノノワールでも変わらず使用!アメリカンオークが、ほかのピノノワールにはない独自の個性をこのワインに与えているそうです。(米・カリフォルニア)
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【送料無料】サンタバーバラを象徴するパイオニア的ワイナリーのピノノワール。赤いチェリーやブラックベリーを軸に、バラや焦がしたスパイス、ほのかな土のニュアンスも。口当たり滑らかで長い余韻。美味しいだけでなく1本購入すれば12本まで配送料無料のため、オトクに買い物をしたい方は、ぜひ。(米・カリフォルニア)
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ロバート・パーカー4つ星のピノを手掛けるブルゴーニュの生産者ジョセフ・ロティのピノ・ノワール。カシス、ダークチョコ、グリルしたジビエ、深煎りコーヒー豆の深いブーケがグラスの中に広がります。ベルベットのようになめらかで長い余韻と深み。(仏・ブルゴーニュ)ワインアドヴォケイト:90点
一度は飲みたい1万円以上のプレミアムピノノワール
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パッツ&ホールはドナルド・パッツ、ジェイムス・ホール、アン・モーゼズ、へザー・パッツの4人により設立されたカリフォルニアを代表するピノノワール&シャルドネのワイナリーです。このワインは、南カリフォルニアのグラン・クリュと言われるピゾーニのピノ・ノワールから造られています。(米・カリフォルニア)ワインアドヴォケイト:93点
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世界的ワイン評論家ロバート・パーカーの義理の弟が運営し、自らもオーナーとして名を連ねるパーカーが唯一評価していないワイン。シルクの様な口当たりから幾層にも重なる赤いベリーや スパイスのニュアンスが複雑に広がります。(米・オレゴン)ワインアドヴォケイト:93点スペクテイター:95点
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リトライは、カリフォルニアのピノノワール生産者の中で最も「ブルゴーニュ人」と言われる繊細なカリフォルニアピノの先駆者。自社畑のピヴォット・ヴィンヤードから造るこのワインは、赤スグリや新鮮なハーブの香りに始まり、引き締まったタンニンと鮮やかな酸味が感じられます。(米・カリフォルニア)ワインアドヴォケイト:93点
世界の銘醸地で造るピノノワール

ブルゴーニュ地方のピノノワール

フランスのブルゴーニュ地方で造られる赤ワインは、その大半がピノノワールだけを使った単一ブレンドのワイン。それもそのはず、ブルゴーニュ地方の土壌は石灰質や粘土石灰質といった、世界的にも類を見ないピノノワール栽培の好条件が揃っているんです。
モザイク状に広がったクリマ(区画)はそれぞれに土壌や地形が異なり、生産者はクリマごとに違う個性を引き出すようなワイン造りを行っています。
ブルゴーニュ地方は、『どのクリマ(区画)で造られたか』が重んじられてきたため、ボトルには生産者や品種よりも、ブドウを栽培している地域やクリマが目立つように表記されていることが多くなっています。
ブルゴーニュのおすすめピノノワール生産者
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ドメーヌ ラペは、ペルナン・ヴェルジュレスで1765年からワイン造りを続けているドメーヌ。果実の風味と酸を大切にした優しくも長熟するワイン作りが特徴です。秀逸な白ワインで高名なドメーヌですが、ピノノワールからも優れた赤ワインを造っています。
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ドメーヌ フィリップ シャルロパンは、ジュヴレ・シャンベルタンというよりブルゴーニュのスター生産者。故アンリ ジャイエの薫陶を受けたことは有名ですが、ワインへの情熱的かつ真面目な姿勢とディテールに執着する典型的な天才肌の生産者です。ワインは魅惑的な果実のアロマとシルキーなタッチで、「テロワールというよりシャルロパンのワイン」と言われることもあります。
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モンジャール ミュニュレは、ヴォーヌ・ロマネで上質なピノノワールを手掛ける有数の大ドメーヌ。北はマルサネから南はサヴィニー・レ・ボーヌまで35アペラシオンに33haものぶどう畑を所有しています。
カリフォルニアのピノノワール

ヨーロッパの生産地とくらべると温暖な印象のあるカリフォルニアは、ピノノワールにおいても『果実味豊かでパワフル』が特徴と思われがち。
ですが、太平洋を流れる寒流や湾の霧、複雑で入り組んだ地形の影響を受けた冷涼な地域では、エレガントなスタイルのピノノワールも数多く造られています。近年では土地固有の風土活かしたワイン造りを進めるニューカリフォルニアと言われるスタイルの生産者の造るピノノワールも人気を集めています。
カリフォルニアのおすすめピノノワール生産者
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ワイン評論家ロバート・パーカーに"カリフォルニアのロマネコンティ"と言わしめたのがカレラ。畑に最初に植えられた葡萄樹はDRCから持ち帰ってものではないかという噂もあるほど。2013年、創設者のジョシュ・ジェンセン氏は『ピノノワールのパイオニア』として専門誌ワインスペクテイターの表紙を飾っています。
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オーボンクリマはカリフォルニアのブルゴーニュスタイル・ピノノワールの先駆者。繊細でエレガントなスタイルは、ブルゴーニュの神様と称されるアンリ・ジャイエに師事したことが影響していると言われています。その手腕は、ロバート・パーカーがベスト・ワイナリー・オブ・ザ・イヤーに選出するなど多くの専門家が評価。
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アリシアンは、伝説的なピノノワールの造り手であるギャリー・ファレル氏が、栽培家ビル・ハンブレヒト氏とともにソノマで設立したワイナリー。自身の集大成として一切妥協のないワインを造ります。2012年に共に引退されたため、オンラインワッシーズで販売中のワインが貴重なラストヴィンテージです。
オレゴンのピノノワール

オレゴンは、その冷涼な気候から世界的に注目を集める高品質なピノノワールの生産地。現在では栽培面積の約60%をピノノワールが占めるまでになっています。
オレゴンのピノノワールが世界に知られるようになったきっかけは、1979年にレストランガイド誌ゴーミヨ主催のブラインドテイスティングにおいて、ジ・アイリ―のピノノワールがブルゴーニュの有名ワインを抑えTOP10入り。さらに翌年に行われた同様のブラインドテイスティングにおいても2位に輝いたことから。
現在では、ブルゴーニュをはじめ世界の生産者が新天地としてオレゴンを選んでいることから、ピノノワールの生産地としてのポテンシャルの高さがうかがえます。
オレゴンのおすすめピノノワール生産者
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今では高品質ピノノワールの産地として有名なウィラメットヴァレーに初めてピノノワールを植えたパイオニア。さらに1979年、1980年と2度に渡るテイスティング大会で、ジ・アイリ―のピノノワールが有名ブルゴーニュをおさえ入賞。その功績から創業者デイヴィッド・レットはオレゴン・ピノノワールの父と呼ばれています。
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ドメーヌ・セリーヌは1990年創業ながら、95年にはロバートパーカーからハイスコアを獲得。ブラインド試飲でロマネ・コンティに打ち勝ったことで一躍名を馳せました。2012Winery Hillピノノワールがデカンター誌によって世界トップピノノワール2016に選出されるなど、今や世界中から高い評価をうけているワイナリーです。
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ケンライトセラーズは、オレゴンではたった2社しか選ばれていないワインアドヴォケイト誌5ツ星のピノノワールの生産者です。 ワインづくりはテロワールが全てと言い、葡萄畑のテロワールをそのまま表現し、人の手を極力かけないピノノワールづくりに専念しています。2014年、オレゴンのピノノワールマスターとしてワインスペクテイター誌の表紙を飾っています。
ニュージーランドのピノノワール

ニュージーランドは、ソーヴィニヨンブランで造られる白ワインの世界的な産地として有名ですが、その冷涼な気候から1990年代以降には優れたピノノワールも多く造られるようになりました。現在、ピノノワールのワイン生産量は、ソーヴィニヨンブランに次いで2番目の人気品種となっています。『1日のうちに四季がある』と言われるニュージーランドでは、その昼夜の寒暖差からピノノワールに生き生きとした酸味が生まれます。
ブルゴーニュの気候と似ていると言われる『マーティンボロー』や、国内最大のワイン産地『マールボロ』、世界最南端のワイン産地『セントラルオタゴ』などの幅広い地区で個性豊かなピノノワールを生み出します。
ニュージーランドのおすすめピノノワール生産者
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アタランギは、ニュージーランドを代表するピノノワールの名手であり、このワイナリーのピノノワールは、英国のエリザベス女王に供されたこともある名誉あるワインでもあります。実は、アタランギのブドウ樹は、ある旅行者がこっそり持ち帰ったロマネコンティの穂木を税関職員から譲り受けたものだと言われています。
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フェルトン・ロードは、1997年に初めてリリースしたピノ・ノワールに、評論家ロバート・パーカーが高得点を付けたことで、セントラル・オタゴ地域の知名度を一気に押し上げたレジェンド。パーカー氏は『ブルゴーニュのグラン・クリュとのブラインドテイスティングにも十分に通用する』と絶賛しています。弊社 社長ワッシーもお気に入り。
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プロフェツロックは、ミシュランガイド全世界版トップ50のレストラン中、15軒以上で採用されている評判のワイナリー。特に、シャンボール・ミュジニーの最高峰“ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ”の醸造長フランソワ・ミエ氏とのコラボで造る特別なワイン『キュヴェ オー アンティポード』は世界的な注目を集めています。
オーストラリアのピノノワール

オーストラリアワインといえば、シラーズを筆頭とするジャミーで濃縮感のある赤ワインのイメージが強いですが、最近は海沿いや標高が高く冷涼な地域で造られるピノノワールも注目を集め、手ごろなデイリーワインから高値で取引されるカルト的人気のピノノワールまで幅広く生産されています。
ヴィクトリア州の冷涼なワイン産地であるヤラヴァレーやモーニントン・ペニンシュラ、 またオーストラリア最南端のワイン産地、タスマニア島は人気のピノノワール生産地です。
オーストラリアのおすすめピノノワール生産者
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カーリーフラットは、ピノノワールに魅されたフィリップ・モラハンが、オーストラリアの冷涼地を調べ上げ、1991年にマセドン・レンジズに興したブティックワイナリー。バイオダイナミック農法を取り入れ繊細さと複雑さを供えた純度の高いピノノワールとシャルドネを造っています。
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バスフィリップとしての厳しい基準に満たないブドウは一切使用しないことから、生産量が極めて少なく、オーストラリアで最も高値で取引されるワインの一つになっています。単に値段が高いだけではなく、一切の妥協を許さないそのワインは、オーストラリアで15年以上に渡り最高峰のピノノワールとして認められています。
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コールドストリーム・ヒルズはオーストラリアで最も有名なワイン評論家「ジェイムズ・ハリデイ」が、自ら立ち上げたシャルドネとピノノワールにフォーカスしたワイナリー。漫画『新ソムリエ瞬のワイン』ではロマネコンティを超えるワインを造り出す生産者として紹介されました。