ピーター マイケル ワイナリーPeter Michael Winery
マニア垂涎!知る人ぞ知るプレミアムワインの名手
英国でのビジネスの成功により英国経済の繁栄に寄与した功績を称え、1989年に「Sir」の称号を受けたピーター・マイケルは、その7年前の1982 年に家族と共にカリフォルニアに渡り、カリストガ北のナイツ・ヴァレーにワイナリーを建設しました。
現在、ピーター・マイケル・ワイナリーのワインが、カリフォルニア・ワインのサクセスストーリーとして世に知れ渡っていることは言うまでもありません。1987年のモン・プレジール・シャルドネのリリース当初から問い合わせが絶えず、これは30年近く経つ現在でも設立当初に定められた企業理念が現在でも変わることなく活動の柱として息づいているからです。
1983年、ブドウ畑と家族の保養の地を求めて7年間のリサーチの末、設立者のピーター・マイケル卿はソノマのナイツ・ヴァレーに位置するセント・ヘレナ山の西向きの麓にある火山性土壌の252haの土地を購入しました。それはピーター・マイケル卿がまだ若かった頃、当時フランスに在住していた父親に連れられ、ヨーロッパ各国のシャトーや生産者を見学に行って以来心に抱いていた、将来自分でワイナリーを経営する夢が現実になった瞬間でした。
ワイナリーのモットーは至ってシンプルで、フランスワインの様に、最高のブドウと厳選された樽、そして昔ながらの醸造テクニックを用いてワインを造るということでした。これは、カリフォルニアワインをフランスワインに模して造るのではなく、現在でも見られる一般消費者のフランスワイン贔屓を覆す意味が込められていました。将来的に、世界に匹敵する品質のワインがカリフォルニアで多数生産されることを期待すると同時に、その中のいくつかはピーター・マイケル・ワイナリーで造られたワインであることをゴールとしました。
その後、数年をかけて、敷地の標高が低く暖かい場所にボルドー品種の畑を広げ、標高の高い涼しい土地にシャルドネの畑を開墾しました。敷地のユニークなコンディションの利点を生かし、それぞれのブロックはパズルのように複雑に入り組んだ土壌によってデザインされ開墾されました。土壌・マイクロクライメット・地形・日照の条件を基に、全てのセクションの品種・台木・畝の向き・密植度・排水を決定します。畑に加えて、マイケル家は長期に渡る敷地の自然保護を提唱し、土着の植物を植樹して自然の生息環境を復元しています。
そして、1998年、マイケル家はトゥルー・ソノマ・コースト(現在のFort Ross-Seaview AVA)に400エーカーの土地を購入しました。土地は沿岸と山間の二つの特徴を併せ持つ驚きの土地です。生育期を通してかなり冷涼な気候ですが、霧に覆われる事のない標高の高い部分はブドウが完熟するのに十分な日照量を得る事が出来ます。そしてこの土地にピノ・ノワールを植えました。
最近では、2009年にナパ・ヴァレーを見下ろすオークヴィル・アペレーション東側の山間に41エーカーの土地を購入し、そのうち26エーカーにボルドー品種が植えられています。ワイナリーはこれらの時代を通じて、ピーター卿の信条である「マウンテン・ヴィンヤード、伝統的な醸造方法、少量生産」を継承しています。また、ピーター卿の「100 by 100 plan」-少なくとも100年間続く100%家族経営、を踏まえて、ワイナリーでは世代のバトンが渡されつつあり、現在では、息子のポール・マイケルと妻エミリーがワイナリーの戦略的な方向性を示す責務を徐々に増やしています。
ピーター・マイケル・ワイナリーのワインメーカーとしてこのワイン業界に輝かしい名声を残した人物にはヘレン・ターリー、マーク・オベール、ヴェネッサ・ウォング、リュック・モルレ、そして現在のワイン・メーカーであるニコラ・モルレがいます。
ピーター・マイケル・ワイナリーのワインはロバート・パーカーを始めとする著名なワイン評論家に認められています。パーカー氏に至っては、「もしも自分がボルドーかブルゴーニュに住むフランス人醸造家だった場合、ピーター・マイケルの様なトップのカリフォルニア生産者の存在は気にしないでは居られない」と言っています。