ロスト アンド ファウンドLost and Found
有名&星付きレストランがこぞって採用するワイン
カリフォルニアのワインショップでは、全く見けることがないワイン。
しかし、Jean Georges(★★★)、Per Se(★★★)、Eleven Madison Park(★★★)、Marea(★★)、Blue Hill Stone Barns(★)、Ai Fiori(★)、The Modern、Union Square Cafe、The French Laundry(★★★)、Benu(★★★)、Meadowood(★★★)、Gary Danko(★)、Michael Mina(★)、The Farmhouse Inn(★)、Redd、RN74等の、ニューヨークやカリフォルニアの有名&星付きレストランが、まるで競うかのように採用しているカリフォルニアピノノワール、それがロストアンドファウンドです。
ワインメーカーはMegan Glaab(ミーガン・グラーブ)。Meganはソムリエから、ワインメーカーに転進。一時はピゾーニでも働いていました。今は元ウィンド・ギャップでアシスタントワインメーカーを務めていたご主人と、ピノノワールやイタリア品種ワインを作るワイナリRyme Cellarsのワインメーカーであり共同経営者でもあります。
Lost and Foundの由来は一度は忘れられ、復活した畑
ロスト アンド ファウンドのワインラベルは、まるで忘れ物が見つかったかのような、少しコミカルなデザイン。これには、少し複雑な物語があります。
20世紀初頭、イタリア移民Domenic Giobanettiは妻のCateとともに、ロシアン・リヴァー・ヴァレーのフォレストヴィルに入植し、農業を始めました。
息子のDomは若いときからよく働き、農場と葡萄畑を立派なものにしました。しかし、第二次世界大戦で招集されフィリピン ルソン島の戦いで日本軍の手榴弾により戦死してしまいます。この知らせにDomenicは非常に悲しみ落胆し、いつしか農場と葡萄畑は荒れてしまったのです。
それから長い年月を経た1990年、DomenicとCateの曾孫にあたるCatherineとJoeは、フォレストヴィルの農場再建に取りかかりました。
まず2人は、畑に植えられている葡萄の植え替えに着手しました。DomenicとDomが開いた葡萄畑には当時、20世紀初頭に一般的だったジンファンデルが植えられていましたが、Catherineの夫でワインライターのRod Smithとも相談した結果、ロシアン・リヴァー・ヴァレーのテロワールを生かせるピノノワールに植え替えることにしました。
次に、現在ではBartolomei Family Vineyardと呼ばれてるこの葡萄畑で収穫したピノノワールから、ワインを作ることにしました。
その実現に尽力したのが、Farmhouse Inn & Restaurantのワインディレクターを務めていたマスターソムリエGeoff Kruthです。
Geoff Kruthは日頃ポマールやヴォルネイ等のピノノワールを良く飲むそうですが、ロスト アンド ファウンドを作る際は、タンニンとストラクチャーを大事にし甘いピノノワールは作りたくなかったと言います。また、カリフォルニアのピノノワールはどれも出荷が早く、もう少し寝かせてから出荷したいと考えていました。
このような考えのもと、2010年、一度は忘れられた(Lost)畑からピノノワールのワインが復活(Found)しました。
以降ロスト アンド ファウンドでは、『Bartolomei』『Van der Kamp』『Nines』『Las Brisas』『Massa』などのトップヴィンヤードをはじめとしたソノマカウンティ内外の葡萄畑と協力して、優れたブドウ畑から生まれるクラシックなワイン造りをおこなっています。