ホースパワー ヴィンヤーズHorsepower Vineyards
ホースパワー ヴィンヤーズ早わかりポイント
- 入手困難なワシントンワイン“カユース”を手掛けるクリストファーバロンによる別ブランド
- ワラワラでは初めて!19世紀さながらの馬が畑を耕すブドウ畑
- ブドウの植え付け間隔が狭く北アメリカにおいてもトップクラスの密植
- カユースと同様、手掛けるワインはバイオダイナミック農法
馬とともに造る古くて新しいワイン造り
ホースパワー・ヴィンヤーズは、ワシントン州の超レアワイン『カユース』を手掛けるクリストフ・バロンが2011年から造る別ブランド。
昔ながらの農業の伝統とシンプルな職人技への回帰を象徴しています。
簡単に言えば、数世代昔の人が行っていたのと同じように今もゆっくり時間をかけて馬で畑を耕すという事です。
クリストフは、フランスのマルヌ ヴァレーで数百年続くシャンパンハウス『バロン・アルベール』の生まれ。アルベール一族は、1677年から1957年までぶどう畑を馬を使って耕していました。
ホースパワーでは、クリストフのルーツへのオマージュ、現代化によって失われた多くのシンプルな職人技への回帰象徴し、19世紀さながらの馬を使用したブドウ栽培を行っています。ワシントンというニューワールドで行うオールドワールド的ワイン造りなのです。
その斬新な手法だけでなく品質も評価されています。ホースパワー・ヴィンヤーズの多くのワインは、ワイン評論家からも高得点を獲得。また世界最大級のワイン検索サイト『ワインサーチャー』が2019年11月に公開した『世界のベストワシントンワイン』では、カユースとともにトップ10入りを果たしました。
馬にしかできない仕事
クリストフ・バロンはワラワラで最初にバイオダイナミック農法を導入した人物であったのみならず、馬を耕作に使用した最初の人物でもあります。
最初の馬“Zeppo”は2008年にヴィンヤードに加わり、“Red”はその翌年に加わりました。
現在ではフランスのブルゴーニュ地方の鍛冶屋によって特別に作られた専用農機具を纏い、5頭の馬が狭い間隔に密植された19世紀スタイルの畑を耕しています。これは、馬たちにしか出来ない仕事です。
筋肉質な肩からの弾力的なライン。ピンと張った馬具で導かれ、土埃を蹴り上げ、金属を震わせる。畑から畑へ、列から列へと歩き、鋤が石をかき分け、蹄鉄が地面を激しく鳴らす。
ホースパワー ヴィンヤーズに馬力(ホースパワー)を投入するベルキー産の荷馬5頭は古代エジプトで最初に家畜化された由緒ある血統馬。彼らの祖先は鎧を纏い中世の騎士を戦いに連れて行き、その伝説的なパワーは、後には平和的に利用されるようになります。
19世紀には、荷馬はヨーロッパとアメリカで農耕用へと変わり、20世紀初頭までは数千頭の馬がアメリカの農場で働いていました。
クリストフ・バロンの家族が営むシャンパーニュのブドウ畑で、祖父の最後の馬が引退したのは1957年の事でした。その馬の名前はフランス語で’宝石’を意味する”ビジュー”。この馬のレガシーは今、ホースパワー ヴィンヤーズで生き続けています。
ホースパワー・ヴィンヤーズの畑ではいつも、畑の石と馬の蹄鉄が奏でる音だけが聞こえてきます。
ホースパワー ヴィンヤーズのブドウ畑
クリストフが2002年にワラワラでバイオダイナミック農業を始めてからずっと、地球・植物・動物の自給自足的なの相互関係がヴィニュロンであるクリストフ・バロンの哲学の中心になっています。
そのため、ホースパワーでもカユース ヴィンヤーズと同じように占星術に基づいた農業暦によって土を耕やし、除草剤、合成肥料、化学殺虫剤、殺菌剤は全く使用していません。
ブドウの樹には、フランス語でSur echalasと呼ばれ、ひとつのブドウに1本の棒を添えるフランス/コート・ロティでの伝統的な仕立てを施し、1エーカー(0.4ha)あたり3,555~4,840本という狭い間隔に密植され、その間を6頭の荷馬で3x3フィート(0.9mx0.9m)の幅で畑を耕しています。
ホースパワーのワインには下記の畑のブドウを使用しています。
- ④Sur Echalas(シュール エシャラ ヴィンヤード)
最初の植樹:2008年。1エーカー(0.4ha)あたりブドウの樹を4,840本植える密植。2エーカー(0.8ha)の畑にはシラーとグルナッシュ植えられており、密植度はワラワラで最も高く北アメリカにおいてもトップクラス。 - ⑥High Contrast(ハイ コントラスト ヴィンヤード)
最初の植樹:2013年。1エーカー(0.4ha)あたりブドウの樹3,555本植える密植。カユースに使用する畑、アン・サリーズに隣接。3エーカーのシラーと0.3エーカー(0.13ha)のヴィオニエが元はワラワラ川だった輪郭に沿って植えられており、中央部には岩が点在しています。 - ⑦The Tribe(ザ トライブ ヴィンヤード)
最初の植樹:2009年。1エーカー(0.4ha)あたりブドウの樹3,555本植える密植。この3エーカー(1.2ha)の畑にはシラーが植えられてます。カユースに使用する畑アン・シャンベルランに隣接し、間隔を狭め、杭を高くした実験により、並外れたフィネスを持つワインが生まれました。 - ⑨Fiddleneck(フィドルネック ヴィンヤード)
最初の植樹:2015年。1エーカー(0.4ha)あたりブドウの樹3,555本植える密植。この地域にたくさん育つカールした黄色い花にちなんで名付けられた畑に3 エーカーのグルナッシュ 1エーカーのテンプラニーニョを栽培。初ヴィンテージは2018年。
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