パリンガ・エステートParinga Estate
パリンガ・エステートの早わかりポイント
- 中学教師の職に就く傍らワインを造り始めた異色のワインメーカー
- オーストラリアでも有数のワイン産地モーニントン・ペニンシュラのパイオニアの一人
- ジェームスハリデー・ワインコンパニオン5つ星ワイナリー
- オーストラリアで最も受賞歴の多いワインを生み出す
オーストラリアで最も受賞歴の多いワインを生み出す
モーニントン・ペニンシュラのパイオニア
「パリンガ」とはアボリジニーの言葉で「海に近い」という意味。海風が気候をコントロールする、モーニントン半島のテロワールを象徴するワイナリーです。
現在オーストラリアでも有数のワイン産地となっているモーニントン・ペニンシュラですが、パリンガを設立した1980年代は、まだまだワインの産地としては初期の頃。パリンガのオーナーでありワインメーカーのリンズィ氏は、モーニントン・ペニンシュラ初の商業ワイナリーを造ったNat WhiteやBrian Stonier(ストニアー)などの著名なワインメーカーとともに、モーニントンの勇敢なパイオニアの一人として数えられています。
パリンガのピノノワールはフレーバーとボディがしっかり味わえるエレガント&力強い華やかなスタイル。一方シラーズはスパイシーでハーブの要素が強く、果実のフレーバーが凝縮されたスタイルで、シャルドネは品種の特徴を最大限に表現し、複雑さを併せ持つ飲みごたえのあるスタイルで造られます。
パリンガの歴史
パリンガ エステートのオーナー、リンズィ・マッコール氏(写真左)はオーストラリアのヤラヴァレー・南ギップスランドの酪農家に生まれました。しかし酪農業は継がず、大学へ進み地学を専攻します。
リンズィ氏は卒業後にモーニントンで中学教師の職に就きました。その時、同僚の勧めで初めてワインの奥深さを知り、のめり込んだと言います。
それからというもの、学校が休暇になると車でオーストラリアの各ワイン産地を隈なく周り、ワイナリー、ぶどう畑を訪問しワインラバーとして時間を費していきました。
そんな時、モーニングトン・ペニンシュラのレッド・ヒル地区、パリンガ・ロードに位置する荒れ果てたリンゴ園が売りに出されているのを目にします。1984年、リンズィ氏はリンゴ園を葡萄畑に仕立てて、ワイン作りをしている姿の自身を夢に見て農園を購入。これがパリンガエステートの始まりです。
初めの10年間は中学の物理教師をしながら畑の手入れをする異色のワインメーカーでした。教師としての仕事の傍ら収穫作業は週末に行い徹夜でブドウを搾ることもしばしばだったそう。ワインメーカーの仕事に専念できるようになったのは、1996年になってからでした。
リンズィ氏のワイン造りは、ブドウ作りからワイン作りまで全て独学にもかかわらず、多くの品評会で賞を受賞しています。 記念すべき最初は、ヤラ・ヴァレー・ワイン・ショーで金賞を受賞した、1990年のシラーズでした。
2006年には、ジェームスハリデー・ワインコンパニオンでワイナリーに5つ星の評価がされました。リンズィ氏は「オーストラリアのクリケットチームのキャプテンに選ばれたようなものだ」と例えています。
パリンガでのブドウ栽培
リンズィ氏は「偉大なワインは畑から宿る」という信念のもと、畑の管理には最新の注意と独自のスタイルで葡萄栽培をしています。
特にレイヤーシステムと呼ばれる剪定はパリンガの葡萄畑特有のスタイル。まず支柱となる枝を中心にY字に2方向へ分け、そこからワイヤーに這わせる枝を2本ずつ作ります。
一見非常に量産する葡萄を作るように見えますが、これは非常に肥沃でワイン用葡萄にとっては栄養が多すぎる土壌から、如何に木々のエネルギーを分散させるかを考慮した末に辿り着いた剪定方法なのです。同じ手法は唯一、フランス・ブルゴーニュのポマールにでも行われています。
幾度となく受賞するベストピノノワール
メディアでも取り上げられることの多いパリンガ・エステートは、オーストラリアのワイナリーとして最も品評会の受賞が多いブティック・ワイナリーとしても知られています。
これまでの多くの受賞歴の中でも注目すべきは、1993年、1995年、1999年「ヴィクトリアン・ワインショー・ベスト・ピノノワール」受賞、2004年「ローヤル・メルボルン・ワインショー・ベスト ピノノワール」2004年「ローヤル・アデレイト・ワインショー・ベスト ピノノワール」など。
その他、2006年のジェームスハリデー・ワインコンパニオンではワイナリーに5つ星評価。2002年、2003年のピノノワールには96点という高得点がつけられています。