クリストム ヴィンヤーズCristom Vineyards
カレラの哲学を受け継ぐオレゴンの実力派
クリストムはオレゴンでも指折りのピノ・ノワール生産者で、特に注目すべきはワインメーカーのスティーヴ・ドナーです。
カリフォルニア・ピノを代表するカレラでアシスタント・ワインメーカーとして創設期から10年以上の経験を積んだ後オレゴンでクリストムを立ち上げようとしていたオーナーのポール・ゲリーの目指すワイン作りに賛同し、共に畑から一貫したワイン作りに取り組んでいます。
彼らのポリシーは「ワインは畑から作られるもの」、各畑の特徴を持つぶどうから、極力自然に引き出した個性を持つワインを作ることにあります。
世界クラスのピノ・ノワールが作られると評判も高く、将来も有望視されるオレゴンの中にはいくつかの優良な産地がありますが、クリストムは海岸線にある山脈に対して開口部があり、寒流の影響で涼しい風が吹き込むウィラメット・ヴァレーの中の、エオラ・ヒルズに65エーカーの自社畑を持っています。ここは隆起火山性の土壌を持ち、気候的にも穏やかでぶどうが通常より長く木についたまま成長する為、畑の個性を十分に現したワイン作りが可能です。
その評価故に、クリストムの周りには幾多のワイナリーが新しく畑を開墾しています。クリストムも一番標高の高いアイリーンの北側に新たな土地を取得し、畑を開墾「ポール(創業者名)」と命名しました。この葡萄がワインになるのはまだ先の話。トム、スティーブの子供たちの世代に向けての投資と準備だということです。
クリストム ヴィンヤーズの歴史
ウィラメット・ヴァレーのサブ・リージョン、エオラ-アミティ・ヒルズの中央東側に位置するクリストムの自社畑は、1980年代後半に植樹された自根の畑を取得し、創立者ポール・ゲリー、ワインメーカー/スティーブ・ドナー、ヴィンヤード・マネージャー/マーク・フェルツにより1992年に設立しました。
現在ポールは引退し、息子のトムがオーナー&ワイングロワーとして畑仕事に精を出し、特徴ある畑の個性をより強調しクリストムを更に高い次元に引き上げ、更に次の世代に引き継ぐ為にも新たな土地の取得、新しい畑の準備を行っています。
ワインメーカー スティーブ・ドナーについて
スティーブ・ドナーは、1992年創業当時からのワインメーカーで既に25年クリストムを造り続け、今の高い評価を築いてきました。25年前、オレゴンに移り住む前には、14年間カリフォルニアのカレラでワインを造っていましたが、移るきっかけは「もう少し小規模のところで丹精込めたワイン造りをしたい。」と思ったからとのことです。
新世界各地を回り、高品質ピノ・ノワールの高いポテンシャルを確信し、創業者ポール、マーク(ヴィンヤード・マネージャー)と共に25年に渡り精進し、現在の確固たるクリストムの高評価を得てきました。スティーブとマークは株の一部を持ち、共同オーナーでもあります。
オレゴンのワインコミュニティの横の繋がりは広く、スティーブの周りはいつもワインメーカーの老若男女が会話をしに集まってくるそうです。スティーブも気軽に様々な事をシェアし、自分の意見も言い、多くがメンター(師匠)と仰いでいます。
4つの自社畑から造られる特徴あるピノノワール
クリストムは4つの自社畑から特徴あるピノ・ノワールを作っています。各畑にはオーナーのポール・ゲリーの女系家族の名前がつけられています。ワインの醸造過程はどの畑もほぼ同じ。 味わいの個性はそれぞれの畑から現れています。 ロット毎に仕込まれ、40~45%は全房発酵、野生酵母のみを用い、1~7トン容量の開放発酵槽を使用。 フレンチオーク(新樽比は6,7割)で18ヶ月熟成させる。 畑名を名乗れるのは、その中でもバレル選別し、十分に畑の個性が現れたもののみ、つまりリザーブ・セレクション。
Marjorie マジョーリ
ポール・ゲリーのオーナーの母親の名前。自社畑の中で一番古く、1982年植樹。ポールがこの土地を買った時には植えられており、自根で台木を使っていません。樹齢約25年、これから円熟期を迎えようとしており、樹齢の古さと水はけの良い土壌があいまって、良年には最良の果実が収穫されます。
Louise ルイーズ
オーナーの母方の祖母の名前。 クリストムがこの土地を所有してから1993年最初に新しい台木、クローンで高密度に植え替えた畑。 一番低い斜面に位置する為、果実が熟すのが一番早い。
Jessie ジェシー
オーナーの父方の祖母の名前 1994年に植樹した最も勾配がきつい畑。ニキアという火山性の土壌の為、多様性に富み、複雑味あふれるワインとなる。
Eileen アイリーン
オーナーの妻の名前 自社畑の中で一番高くに位置(標高210m)し、1997年植樹の一番新しいピノ・ノワールの畑。その高度により涼しい風が吹き込み、果実の熟しは一番遅い。