シャトー モンテュスChateau Montus
フランス南西地方を代表するトップブランド
シャトー・モンテュスは、世界的な醸造家アラン・ブリュモンが手掛けるフランス南西地方を代表するワインブランド。
長い間、南西地方は、知名度の高いボルドーの影に隠れて、正当に評価されてきませんでした。しかし、1985年にモンテュスがリリースしたプレステージが『マディランのペトリュス』と評されると、その波及効果から、産地全体の品質が向上。南西地方が高級ワイン産地として認識されるようになりました。
シャトー・モンテュスの軌跡
1979年、アラン・ブリュモンは17ヘクタールの小さなワイナリーだったシャトー・ブースカッセを父親から引き継ぐと、わずか1年後にアランはシャトー・モンテュスと20haの畑を購入。
アランは、このテロワールからグラン・ヴァンが生まれると直感していましたが、これは彼の人生の大きな賭けでした。
アラン・ブリュモンにとっては素晴らしい財宝のような土地でも、大きな平たい丸い石に覆われたこの地を誰もポテンシャルがあると思っていなかったのです。 実際、アラン・ブリュモンがシャトー・モンテュスを購入した際、ほとんど廃墟と化していました。
数年かけ、様々なぶどう品種を各テロワールに植えて、全くの独学で試行錯誤を繰り返す中、この地こそが最高品質のワインを生み出すテロワールに違いないという直感は、いつしか確信へと変わりました。
シャトー・モンテュスのターニングポイントは1985年に訪れます。
アランは、キュヴェプレステージと呼ばれるタナ品種100%、新樽オークで100%で熟成させた、かつて誰も造ったことがない赤ワインをリリースしました。
しかし、このアペラシオンの規則では、タナ種はカベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランなど、他のブドウ品種とブレンドしなければいけないというルールがあり、当初このワインはAOCを名乗ることを拒否されてしまいました。それでも、アランは上級機関に訴えかけ『これまでに作られた最高のマディランである』というメモとともに認定が許可されました。
シャトー・モンテュスは、テロワールを反映したグラン・ヴァンのリリースを重ね、フランスの著名なワイン評論家、ミッシェル・ベタンヌに「他のアイコンと呼ばれた人々が300年かけて築いた実績を、彼はわずか30年で成し遂げてみせた」と言わしめるまでの生産者となったのです。
アラン・ブリュモン氏の世界的評価
アラン・ブリュモン氏がフランスワイン界に与えた影響は大きく、1991年にゴー・ミヨ誌で80年代を代表するワインメーカーに選出され、1997年にはナポレオン1世により制定されたフランス最高勲章「レジョン・ドヌール」を受勲しています。
また、アラン・ブリュモンの評価はフランス国内にとどまらず、世界の有名雑誌にて賞賛されており、シャトー・ブースカッセはワイン・エンスージアスト誌2016年のセラーセレクションTOP100の9位に選出されています。
最も消費者の手に届く価格でありながら、ボルドーの有名シャトーを抑えて、「長期熟成に適したワイン」に選ばれたことはアラン・ブリュモンにとって、何よりの誇りです。
「南西地方のペトリュス」「テロワールの天才」などと喩えられるようになった今も、「私の務めはテロワールに自ら語らせること。新たな味わいを創りだすのに必要な素材は、全てこの地に揃っているのだから。私はただテロワールの個性を引き出し、全体の調和を図っているに過ぎない。」と、テロワールを反映したワイン造りにこだわり、その高いポテンシャルを、世界に発信し続けています。