クリストムの自社畑マージョリー・ヴィンヤードのピノノワールから造られるワイン。自社畑の中で最も赤い果実の味わいが強く、複雑味としっかりした骨格を持っています。
■テイスティング・コメント
ドライ・タイム、香ばしいポブラノペッパー、そしてラズベリーやレッドチェリー、野生のベリーを思わせる、生き生きとした赤い果実の複雑な香りが広がります。
ハーブと赤い果実の特徴が口に広がり、クランベリーやドライ・ブルーベリーの風味が加わります。しっかりとしたエレガントなタンニンとフレッシュな酸味がバランスと骨格を与えています。
■畑について
マージョリーは、創業者ポール・ゲリーの母の名前がつけられた3.4ヘクタールの自社畑です。土地を購入した時には、既にブドウ樹が植えられており(1982年植樹)、エオラ・アミティ・ヒルズの中でも最も古い畑の一つに数えられています。
コロンビアリヴァー玄武岩と呼ばれる土壌の上には、サウム、ウィツェル、ヤムヒル土壌が堆積する水捌けの良い畑です。
東向きのなだらかな斜面(標高151~189メートルの間)で、平行に段々畑のように北から南に植樹されており、1ヘクタールあたり1495本の植樹率はクリストムの他の畑より少なく植樹されています。それによりストレスが少なく、凝縮感を少し抑えながら、伸び伸びとした果実となります。
元々は自根のみでしたが、徐々に根からフィロキセラに感染するようになり、収量が激減してしまいましたが、2004年にフィロキセラに耐性のある台木を使って、元々植わっていたものと同じクローンへの植え替えが行われ始めました。2013年には初期に植え替えの済んだ樹が成長し、植え替えて10年の樹がマージョリーのワインに加わりました。マージョリーの生産量が元のように戻るまで、しばし樹の成長が待たれます。
自社畑の中で最も赤い果実の味わいが強く、複雑味としっかりした骨格を持ち、自社畑の中で最も人気が高く、その稀少性もあいまって、「クリストムのファースト・レディー」の呼び声が高いトップ・キュヴェです。
樹齢40年近い自根樹は残り僅か、植え替えた樹はもう少しで20年樹となり、キュヴェ・マージョリーにブレンドできる品質に成熟したブドウの樹も増えつつあり、マージョリーとしてのリリース量も少しずつ戻っていますが、希少品であることには変わりありません。
■醸造について
手摘みで収穫したブドウは、自然酵母のみで発酵(全房48%)させます。発酵後、フレンチオーク樽(新樽36%)で17か月間熟成させ、無濾過、無清澄で瓶詰めしています。アルコール度13.5%。
■クリストム ヴィンヤーズについて
クリストムは、オーナーのポール・ゲリー、ワインメーカーのスティーブ・ドナー、ヴィンヤード・マネージャーのマーク・フェルツにより、1992年に設立されたオレゴンでも「指折りのピノ・ノワール生産者」です!
特に注目すべきはワインメーカーのスティーヴ・ドナーです。カリフォルニア・ピノを代表するカレラでアシスタント・ワインメーカーとして創設期から10年以上の経験を積んだ後、クリストムのオーナーであるポール・ゲリーの目指すワイン作りに賛同し、共に畑から一貫したワイン作りに取り組んでいます。
彼らのポリシーは「ワインは畑から作られるもの」。各畑の特徴を持つぶどうから、極力、自然に引き出した個性を持つワインを目標としています。
現在、オーナーのポール・ゲリーは引退し、息子のトムが、オーナー&ワイン・グロワーとして畑仕事に精を出し、特徴ある畑の個性をより強調しクリストムを更に高い次元に引き上げ、更に次の世代に引き継ぐ為にも新たな土地の取得、新しい畑の準備を行っています。
- Cristom Vineyards Pinot Noir Marjorie Vineyard[2022]
- アメリカ/オレゴン/ウィラメットヴァレー/エオラアミティヒルズ
- スティル ワイン色: 赤ワイン軽-重: やや重口
- ピノノワール100%
- 750ml