シャブリ特集
日本で最も有名なワイン"シャブリ"。
ワインを飲まない方でも、名前だけは聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
ここでは、シャブリの特徴や美味しく飲むためのポイントなどを解説していきます。
参考サイト:https://www.chablis.jp/
目次
シャブリはブルゴーニュワインです
シャブリとは、フランス・ブルゴーニュ地方北部のシャブリ地区で造られている白ワインの事。パリから南東に200km弱に位置しています。
シャブリ地区のワインは、辛口でスッキリとした酸味をもつ上品な味わいが人気です。
ちなみに、シャブリを名乗れるのはシャブリ地方で造られる白ワインのみ。 シャブリ地方産であっても赤ワインやスパークリングワインはシャブリを名乗ることができません。
シャブリは、ブルゴーニュで生産されるワインの約20%を占め、その内の70%程度が海外へ輸出されています。
シャブリの特徴的な味わいとは?
シャブリの特徴と言えば、なんと言っても"酸味豊かな辛口の味わい"でしょう。
同じブルゴーニュ地方の白ワイン、モンラッシェやムルソーもシャルドネを使用して造られていますが、シャブリ独特の酸味は、他の地域では見られない味わいです。
シャブリのおすすめワイン&生産者
価格別おすすめシャブリ3選
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250年の歴史があり最も多くのシャブリのグランクリュ畑を有する名門。テロワールが良く表現されており、酸味と果実味のバランスがとても良くスパイシーさがあります。
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柑橘系果実ミネラルを思わせる風味にクリスピーな酸。厚みや丸みを感じバランスのとれた口当たり。シャルロパンらしさを知れるシャブリです。
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ドメーヌ ウィリアム フェーブル シャブリ プルミエクリュ モンテ ド トネール 2020
キンメリジャン土壌の影響が他のシャブリよりも強いため、ミネラルを思わせるキリッとした酸の風味豊かで、長期熟成も楽しめます。
シャブリのおすすめ生産者
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ウィリアム
フェーブル
様々な新技術を取り入れ、年々品質の上昇している人気の生産者。
「最もピュアで最もエレガントな白ワインを造る生産者の1つ」と評価されています。ワインを探す -
ジャン
クロード ベッサン
繊細なスタイルで、フローラルな香りとミネラル感が魅力。シャブリの真髄を味わえる造り手。ワインを探す -
ビヨー
シモン
シャブリでも最良の区画を所有している歴史ある作り手。
中でも平均樹齢50年のヴィエーユ・ヴィーニュ(古木)で作るシャブリはここでしか味わえない逸品。ワインを探す -
ジェラール
デュプレシ
瓶詰め後、すぐにリリースせず熟成させて出荷するこだわりのシャブリは、長期熟成に向いた古典的スタイル。ワインを探す
シャブリをさらに美味しく飲む方法
ワインを飲む時、最も大事な要素は《温度》。
シャブリの場合だと、ワインが持つキリッとした酸味と鮮やかな果実味を味わうために、ワインの温度は10度前後まで冷やすのがおすすめです。目安としては、飲む4時間程度前から冷蔵庫で冷やすと適温になります。
ワイングラスは、底が丸くボウル型になったワイングラスを使用するとシャブリの味わいが際立つのでおすすめです。
ただし同じシャブリでも、プルミエクリュ、グランクリュと言った格付けシャブリは、通常のシャブリの温度より少し高めがよいでしょう。温度を10度~12度にすることで、格付けシャブリの持つコクと豊かな香りをより引き出すことができます。
格付けシャブリに使用するグラスは、口が広く膨らみのあるシルエットのグラスを使うと、ワインの持つ香りがより引き立ちます。
シャブリに合う料理
「シャブリと言えば牡蠣」のイメージを持っている人は多いと思います。
これはワインが持つ、酸味と土壌からもたらされるミネラル分、そして塩味が牡蠣の味わいと相性が良いため。
他にも、火を通した魚介類やチキン、天ぷらなどの揚げ物などもおすすめです。
シャブリの酸味がレモンやライムを連想させるので、仕上げにレモンを絞ったりポン酢で頂く料理をイメージすると合わせやすいと思います。
シャブリの当たり年
当たり年のシャブリは酸がしっかりとしており、特にプルミエクリュ、グランクリュ などの格付けシャブリは長期熟成に向く傾向があります。
シャブリらしさを味わいたい方は、先にご紹介した“おすすめシャブリ”の当たり年を選ぶと良いでしょう。
ただし当たり年以外の年のワインが、決してハズレで品質が悪いわけではありません。
当たり年かそうでないかを決めるのは、天候やブドウの生育状態。また長期熟成 に向くワインが高く評価されます。
いわゆる外れ年と言われるシャブリの場合、酸が穏やかで、果実味が強い傾向があります。シャブリらしい強い酸味が苦手な方や熟成をさせず早く飲みたい方、格付けワインを少しでも安く手に入れたい方は、良年以外を狙うのもおすすめです。
2010年代のシャブリ(ブルゴーニュ)ヴィンテージ評価
ヴィンテージ | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 |
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スコア | 93点 | 91点 | 97点 | 87点 | 94点 | 97点 | 90点 | 92点 | 91点 | 94点 |
※ワインアドヴォケイト誌VINTAGE Chartブルゴーニュ・白ワインを参照。
シャブリ4つの格付け
シャブリは4つの格付けに分けられています。
ワインの格付けは、畑の位置で決まっており、格付けが変わる事は基本的にありません。
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シャブリ・グランクリュ(Chablis Grand Cru)
シャブリ最上級格付け。
標高200m前後に畑があり、日照の条件が非常によい好立地。 ワインは、黄金色の色調。しっかりした酸味とまろやかなコクは、上品な味わいで長期熟成向き。 グランクリュに指定されている特級畑は、ブランショ、ブーグロ、レ・クロ、グルヌイユ、レ・プルーズ、ヴァルミュール、ヴォーデジールの7つ。 面積はシャブリの畑全体のわずか2%程度で全生産量の約10%です。 -
シャブリ・プルミエクリュ(Chablis Premier Cru)
シャブリ地区の中心を流れるセラン川の両側に位置する好立地の区画。 淡い黄金の色調で、若いうちから熟成するまで、様々な美味しさを味わうことが出来ます。 シャブリ地区の中から指定された優れた40の畑がプルミエクリュ(1級畑)に指定されています。 ヴァイヨン、フルショーム、レ・リス、モンマン、ボーロワなどがあります。 生産量は、シャブリ全生産量の15%前後。
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シャブリ(Chablis)
最も目にするスタンダードワイン。 リリース直後から美味しく味わう事ができ、活き活きとした酸と青りんごやレモンの溌剌とした香りが特徴。 生産量が最も多く、シャブリ全体の約60%を占めています。
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プティ・シャブリ(Petit Chablis)
シャブリの中では比較的低価格で早飲みタイプ。 淡い色調で、レモン、グレープフルーツの香り。白桃のような白い果実の味わいで心地よいまろやかな味わいです。 シャブリの特徴的土壌であるキンメリジャンに属さない地域の畑。 生産量は20%程度。
シャブリの土壌と気候
良質な白ワインを育むシャブリの土壌
シャブリの持つ個性の秘密は、土壌にあります。
シャブリ地区の土壌は、キンメリジャンと呼ばれていています。キンメリジャンとは、約1億5千万年前のジュラ紀後期にさかのぼる地層の事。
シャブリの土壌は、かつて海底だった為、泥灰土と石灰層が重なり、多くの貝類、牡蠣の化石を含んでます。 この土壌が、シャブリの持つ酸やミネラル感をもった味わいを生み出しているのです。
酸味を育む冷涼な気候
シャブリ地区は、ブルゴーニュ地方の中で最も北に位置し、北海道稚内に相当する北緯47度の大変冷涼な場所にあります。 夏季の気温が32度を超える事は少なく、ブドウが過熟になる心配がありません。半面夜は厳しく冷え込みます。
この環境下で育つブドウが、シャブリの特徴である充分な酸味を持ったワインに仕上がります。
シャブリの歴史
シャブリの歴史は、ローマ時代シャブリ村に大規模な農園が造られており、そこにブドウが植えられていた事から始まりました。
一時期、皇帝により引き抜かれた事もありましたが、後の時代に再びブドウが植えられます。
12世紀初頭、シトー派修道士がこの土地にポンティニィ修道院を建設。修道士の信仰生活に必要であるとされたブドウの樹を教会に寄付、ここから修道士達によって大きく発展していきました。
シャブリの評判はフランス国王の耳にも届き、食卓へ運ばれます。 鉄道の無い当時、ワインはシャブリ地区にほど近いヨンヌ川を使って全土各地へ送られ、飲まれるようになりました。
19世紀にはフィロキセラによる害虫被害で大打撃を受けましたが、ブドウの樹の改良などで復活し現在では、フランスの大切な輸出事業として世界中へ輸出されています。
ちなみに、シャブリの名前の語源はケルト語の「CAB(家)」と「LEYA(森の近く)」からと言われています。