カーリーフラットCurly Flat
オーストラリア・ピノノワールの可能性
オーストラリアには幾つかの冷涼なブドウ栽培産地がありますが、このヴィクトリア州にあるマゼドン・レンジズと呼ばれる一帯もそのひとつ。ここで1991年にブドウを植えてブドウ栽培とワイン作りをはじめたのがカーリー・フラットのオーナーであるフィリップ・モラハンです。
ワイン作りに目覚めるきっかけとなったブルゴーニュワインのように、ワールドクラスのシャルドネとピノノワールを造るという目標を掲げ、18ヶ月に渡り適正な場所を調査。その結果、この冷涼なマゼドン・レンジズ移り住み、彼等が望むようなフィネス、エレガンス、繊細さ、魅惑的な果実味を持ったワインを作り出すことに成功しました。
まだ20年程度と歴史の浅い作り手ですが、今やオーストラリア最高のピノノワールと呼ばれるまでに評判もワインのクオリティも急上昇。2006年から導入したビオディナミをそのクオリティを加速させた要因です。
カーリー・フラットの自然な醸造アプローチ
カーリー・フラットのシャルドネとピノ・ノワールは自生酵母で自然発酵させ、セラーではポンプは使用せず、重力構造式による自然の重力を利用して果汁とワインを移動しています。シャルドネは大部分を樽発酵させ、MLFはわずかに抑え、特徴的な酸味と澱とミネラルのニュアンスを表現しています。ピノ・ノワールは抽出し過ぎないようマセラシオンし、非常に淡い色調で、繊細な味わいが特徴です。
最も冷涼な地 マセドン・レンジズについて
マセドン・レンジズは、栽培シーズン中の積算温度が 1200~1300 とオーストラリアでは最も冷涼な栽培地域に当たります。東西に連なるマセドン山脈が内陸部からの高気圧を遮り、メルボルンから流れ込む海洋性気候の影響により、地域⼀帯は⼀年を通して涼しく、なかでもカーリー・フラットの畑がある南部ランスフィールド周辺はとりわけ冷涼地区として知られ、スパークリング用のブドウや主にプレミアムのシャルドネとピノ・ノワールが占めています。