ナヴァロ ヴィンヤーズNavarro Vineyards
気候区分リージョンI。寒くてぶどうなんて育たないと思われていたカリフォルニア州メンドシーノ郡のアンダーソン・ヴァレーに、1973年、初めてゲヴュルツトラミナー種を植えたのは、デボラ・カーンとテッド・ベネット夫婦。今では著名シャンパンメゾンの進出等によりその名は広くワイン愛好家に知られるところとなり、エレガントなピノ・ノワールやシャルドネの銘醸地としてもよく知られている産地です。
ナヴァロ ヴィンヤーズは30年後の今、アンダーソン・ヴァレーを代表するワイナリーに成長しました。ヒュー・ジョンソンは、「ナヴァロ(Navarro)はアンダーソン・ヴァレーのパイオニアだ」と表現します。ヴァレーの北側(つまり畑はすべて南向き斜面)に364ヘクタールの広大な敷地を所有し、そのうち約40ヘクタールがぶどう畑として利用されています。自然を大切に、自然と共存してぶどう栽培を行っています。ワイナリーを訪れると、まるで公園のような森林が延々と続きます。近くを流れるナヴァロ川への影響を考慮して、土砂の侵食や洪水が発生しないように畑の開墾にも神経を使ったといいます。
ナヴァロ・ヴィンヤーズ(Navarro Vineyards)のワインは、そのほとんどがテレ・マーケティングによる消費者への直接販売であるため、アメリカでもレストラン以外は店頭で見かけることはありません。現在、ナヴァロが最も得意とするゲヴュルツトラミナーをはじめ、ピノ・ノワール、シャルドネ、リースリング、シュナン・ブランといった、時代の流行にとらわれることなくアンダーソン・ヴァレーに合っていると思われるぶどう品種を着実に生産し、また少し温暖な内陸部からソーヴィニヨン・ブランを造っています。
ナヴァロ・ヴィンヤーズ(Navarro Vineyards)のワインで見逃せないのは、レートハーヴェストのリースリングとゲヴュルツトラミナー。ワインコンペティションではあたかも当然の如く、ゴールドメダルを持ち帰っています。
霧の多いアンダーソン・ヴァレーではボトリティス菌が自然に発生しやすく、秋の収穫も終盤を迎えるとデボラとテッドのいつもの笑顔はさらに明るくなります。
また繊細なスタイルのシャルドネ&ピノ・ノワールも造られ、米国内で絶大な人気を誇る。生産数が少ないこともあり、これらのワインは輸出に振り向ける余裕があまりなく、残念ながら現在のところ限定輸入となっています。
【歴史】
1974年創業。テッド・ベネットとデボラ・カーン夫妻は、メンドシーノ郡のアンダーソンヴァレーに85エーカーの畑を購入しワイナリーを建設。
【ワイン】
カリフォルニアで最も北に位置するメンドシーノ郡は冷涼な気候。ナヴァロはゲヴュルツトラミナーに焦点を絞り、アルザス地方と異なるカリフォルニアらしい果実味あふれるスタイルを表現しています。
【畑】
なだらかな丘一面に広がるゲヴュルツトラミナーの畑はよく手入れされ見事な景観。