イオスEos
イオス早わかりポイント
- 2000年代初頭、日本でも大人気を博したワイナリー
- 果実味とバランスに優れたワインを、手に取りやすい価格で
- 創業者アルシエロ兄弟は“アメリカンドリーム”の体現者
- 創業者の兄フランクはインディカーレーシングチームを率いたレーシングドライバー
かつて日本でも人気を博したワイナリーが、お手頃価格で帰ってきた!
1980年代にカリフォルニア州パソ・ロブレスで誕生したEOSは、イタリア移民のアルシエロ兄弟が創業したワイナリー。彼らの物語は、まさにアメリカンドリームです。
アルシエロ兄弟は1930年代後半、兄フランクが14歳の時に渡米。大恐慌下の貧しい生活の中で側溝掘りの仕事から身を立てました。
その後も懸命に働き続け、やがて兄弟は建設会社を起こし、ついにはロサンゼルス国際空港の巨大駐車場などを手掛ける大企業に成長させました。
事業の成功にとどまらず、フランクはモータースポーツにも情熱を注ぎ、「アルシエロ・レーシング」を率いてインディカーレースに参戦。アメリカのレース史に名を刻みました。
そして1985年、彼の次なる夢はワイン造り。故郷イタリアを思わせるパソ・ロブレスの丘に畑を拓き、ギリシャ神話の暁の女神の名を冠した「EOS」を創設しました。移民としての苦労と夢、そして情熱が凝縮したこのワイナリーは成功を収め、2000年代初頭には日本でも人気を博します。
その後アルシエロ家はEOSを手放し、いくつかのオーナーを経てブランドは揺れ動きます。
2000年代後半には、セント・ジェームズのCEOケリー・ヴィックス氏とその息子クリストファー・ヴィックス氏がオーナーに。クリストファー氏は日本人女性と結婚するなど、日本との縁も深い時代があったため、「親日オーナー時代」を覚えている方もいるのではないでしょうか。
やがて経営危機に直面したEOSは、2010年にフォーリー・ファミリー・ワインズの傘下となり、ブランドは見事に再生。現在は、サステイナブルに育まれたカリフォルニア各地のブドウを使用し、モダンで誠実なスタイルを驚くほど手頃な価格で届けるワイナリーとして、多くのワインファンに再び注目されています。
かつて日本で約4,000円前後で販売されていたことを覚えている方にとって、今のEOSは驚くほどお求めやすく、むしろ“今の時代には非常にレアで貴重なお買い得ワイン”ではないでしょうか。
醸造について
イオスのワインは現在、パソ・ロブレス単一の畑に限定されていた以前と異なり、フォーリー・ファミリー・ワインズのもとで大きく進化しています。
カリフォルニア州内のセントラル・コースト、ソノマ・カウンティ、ナパ・カウンティ、レイク・カウンティ等にある高品質な自社畑のブドウを使用。冷涼な沿岸部や谷底の畑といった多様な立地からブドウを調達することで、様々なテロワールを表現できるようになっています。これにより、ワインのクオリティは格段に向上。果実味とバランスに優れたスタイルが特徴となっています。
さらに畑は持続可能な農法(CCSW認証)のもとで管理されており、環境への配慮と品質向上を両立。ラインナップは品種の個性を活かした単一品種ワインを中心に構成され、モダンで誠実なスタイルをリーズナブルな価格で提供しています
ワインメーカー:ノエル・シャフについて
カリフォルニア州ロサンゼルス出身のノエル・シャフ(Noël Schaff)氏は、ボストン・カレッジで環境地球科学の学位を取得。自然と料理への愛を探求した後、一念発起してメンドシーノ・カウンティに移り住み、ワインの道へ進みました。オーガニック・ヴィンヤードでの経験を通じてワイン造りが天職であると確信。
その後、ハーン・ファミリー・ワインズやジャミーソン・ランチ・ヴィンヤードなどでキャリアを重ね、2019年にフォーリー・ファミリー・ワインズへ参加しました。

