ドン アンド キンデリDon & Kindeli
ニュージーランドのマタヒウィとアラナをスターダムに押し上げた醸造家アレックス・クレイグヘッド
ドン アンド キンデリを率いるシドニー生まれのアレックス・クレイグヘッドは、幼少期にニュージーランドに移住し、クライストチャーチで育った彼はキャリアを料理人としてスタートしました。
2001年にシェフとして、西オーストラリアのスワン・ヴァレーに移り住みましたが、同地で多くのワインを味わい、醸造家と密接な繋がりを持った事でワイン造りへの情熱が目覚め始めたそうです。
ワインへの熱い想いは、彼をキッチンから切り離し、ニュージーランドのリンカーン大学への誘います。そこで醸造学と栽培学を修め、フランス・イタリア・スペイン・アメリカ・カナダと各国で、ビンテージを含めた全プロセスを叩きこむ事になるのです。
世界各地を巡りながら様々なスタイルのワイン造りを体験し、2011年にようやく生まれ育ったニュージーランドへ戻って来たアレックスには一つの野心がありました。それは、ニュージーランド最高の「ピノ」ファミリーを作り上げる事でした。
ワイララパにあるマタヒウィ・ワイナリーを経て、若干32歳の若さでアラナ・エステートの醸造最高責任者に抜擢されたのは、情熱のみならず、マタヒウィを一躍スターダムに伸し上げた彼の手腕が評価された結果です。
ドン アンド キンデリは、マーティンボローの雄アラナ・エステートを率いつつ、アレックス自身が本当に自分の為に作りたいと願ってスタートしたレーベルです。居を南島のネルソンへと移し、また日本とスペインでも、ワイン作りに挑戦しながら更なる飛躍を遂げようとしています。
「Kindeli」と「GRAPEREPUBLIC」のコラボ・ワイン
輸入元であるワインダイヤモンズのスタッフが、当時サローネグループの統括マネージャーを務めていた藤巻一臣氏からの電話着信を受けたのは、今からまだ3年前の事だったそうです。「ワインダイヤモンズが輸入してる生産者の処に勉強行ってくるからさ」と半ば強引とも言える報告を受けた数日の後、藤巻氏の身体は南半球のニュージーランドに在りました。キンデリとドン、2ブランドのナチュラルワインを作るアレックスクレイグヘッドが当時居を構えていたマーティンボローでワイン作りを細胞レベルまで叩き込む為に。
当時藤巻氏は50歳。残された人生で一体何度のビンテージを過ごす事が出来るのか…北半球と南半球両方でワイン作りをする事でその回数を倍にしようという何とも単純明快なアイデアは、無尽蔵のエネルギーを搭載した氏によって即実現してしまったのでした。当時日本へのワイン輸出を始めたばかりのアレックス。巨大な野犬の様な藤巻氏に当初は面食らった様でしたが、その献身性と成果に深く感銘を受け無給で働いていた氏に一つのオファーを出す事を決心しました。それは彼が畑から受け取ったブドウをボーナスとしてプレゼントする事。そして更にそのフルーツでワインを作る事。インシエーメはこうして誕生する事になったのです。