西オーストラリア　赤ワインWestern Australia / Red

ダークベリーやチェリーチョコ、バラの香りに続いて、タールや杉、オークが複雑に香ばしく、快活な果実と穏やかな酸、丸みを帯びたタンニンが調和したミディアムフルボディ。フレンチオーク旧樽で１８ヶ月間熟成、無濾過、無清澄。ワイナリーの北１０ｋｍグレンモア ヴィンヤードのボルドーブレンド。マセラシオン期間が「モスウッド」や「リボン ヴェイル」より短く、快活な味わいで早くからバランスよく楽しめる。

ラズベリー、チェリー、ザクロのアロマが快活に鮮やか。完熟した赤い果実の風味が品よく広がる均整のとれたミディアムボディ。１９９７年に植え付けた無灌漑畑で手摘みしたシラーズと少量のヴィオニエ、マルベックを小型の開放式発酵槽で混醸、フレンチオーク小樽で１２ヶ月間熟成。

２００８年はカベルネにとって良好のヴィンテージ。フレンチオークで２３ヶ月間熟成。黒い深い赤色のワイン。チェリー、黒スグリなどのカベルネの特徴的香りにベイ リーフ、セージ、アニスにラベンダー、コーヒー豆、杉の複雑な香り。口当たりはまろやかできめ細かいタンニンにまとめられている。クミンやクローブのスパイシーな余韻が印象的。

熟成期は落ち着いた涼しい気候ながらも日射条件がよく熟成しやすい良好なヴィンテージ。土壌は砂利ローム灌漑無。除梗して小さいステンレスのオープン槽で発酵。合計３０ヶ月間樽熟成。赤スグリ、タール、レザーなど閉じた香りだが、時間と共に桑の実、スミレなどのフルーティーさとトーストやスパイス感が表れ、余韻のタンニンは極めて美しい。

２００４年は夏と秋が逆転したようなシーズン。夏涼しく秋が温暖で、収穫直前には４０℃の日があったほど。パースはエアコンがフル回転でも追いつかないほどで、ついには電力供給が間に合わず停電。カベルネはこの暑さで一気に熟したためブドウ畑もワイナリーも大慌てで収穫し、醸造を行った。２００１年、２００３年ほどの凝縮度はないものの、２０００年や２００２年よりもリッチ。しかも２００４年はみずみずしさとしなやかさがあり、濃密なのに親しみやすい。２００３年や２００１年はもうしばらく寝かせて、今はこの２００４年を楽しむべし。

ルーウィンのカベルネが大きくステップアップした１９９９年に匹敵する出来のヴィンテージ。リッチな果実味では１９９９年が上だが、２００１年はきめ細かなタンニンとボリューム豊かな酸味をもつ。アルコールも１４度と高く、キルシュかチェリー リキュールを思わせる味わい。カベルネ ソーヴィニヨン８６．４％、マルベック９％、プティ ヴェルド４．６％。フレンチ オーク樽で１５ケ月間熟成。

カベルネ ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ フラン、マルベック、プティ ヴェルドのブレンド。１９９９年はマイルドな天候で最高の出来の一つ。チェリー、ラズベリー、ヒマラヤ杉などの香り。ベルベットのように滑らかできめ細か。リッチな果実味と複雑で深みのある味わい。

赤スグリ、ザクロの赤系果実に甘草、スパイスやドライハーブが落ち着きを与え、粉っぽいオークに混じるタール、湿土、海草のニュアンスで深みがあり、複雑。カベルネ ソーヴィニヨンに、少量のプティ ヴェルドとカベルネ フランを品種ごとに９ヶ月間樽熟成し、各品種をブレンドしたのち２２ヶ月間樽熟成。

鉄分を多く含む岩がちな土壌の有機栽培自社畑ブドウ５品種をブレンド。完熟したスグリやプラムの芳醇なアロマに杉やバニラ、ブラックオリーブやイタリアンハーブが複雑に香る。深みのあるダークフルーツに続いてオリーブやシャルキュトリーの風味が重層的に広がり、香ばしいタンニンとともに充実した余韻に導く。

控えめなオークのニュアンスとバランスのよい果実味が親しみやすいボルドー右岸ブレンド。鮮やかな赤い果実と黒スグリの香りをスターアニス、トマトの葉の風味が縁取り、清涼感のある酸ときめ細かいタンニンが味わいを支える。無灌漑畑で手摘みしたブドウを除梗して混醸、フレンチオーク小樽（新樽～４年使用樽）で１２ヶ月間熟成。

コーヒーロックと呼ばれる赤茶けた岩盤土壌の無灌漑畑のブドウは樹齢６０年以上の株仕立て。野イチゴ、ラズベリー、サワーチェリーなど赤い果実にフローラル香とかすかなドライハーブが混じる。瑞々しい果実味をキレのある酸と自然で適度なタンニンが支え、古木グルナッシュの風味をピュアに表現。一部を全房で自然発酵、果皮浸漬期間を長めに取り、旧樽で熟成。ＳＯ２の使用は最小限。

イチゴやチェリー、プラムのアロマにムスク、土、スパイスの香りが香ばしく層をなす。しっかりと緻密なタンニンに覆われた赤い果実は豊かな酸に支えられ、フィニッシュまで滑らかに口中を満たす。樹齢４２～４９年となるブドウは手摘みし亭々に選果、フレンチオーク樽（新樽２３％）で１９ヶ月間熟成。

黒スグリ、ベリーの凝縮した果実味にココア、黒オリーブ、スパイスが複雑に絡み、適度な硬さときめ細やかさを持ち合わせたエレガントな長い余韻がある。マーガレット　リヴァーでカベルネ１００％でワインが造られることは珍しいが、２０１２年はきわめて良好なヴィンテージで、タンニンが熟しきり、単一品種で仕込まれた。２１ヶ月間樽熟成。

黒スグリ、ダークチェリーの濃厚な香りにスミレや月桂樹が重なり、スパイスや黒鉛や火打石のミネラルが深みを加える。黒く濃密な果実の輪郭を明るい酸ときめ細かいタンニンが立体的に際立たせ、ミネラリーな余韻が全体をエレガントにまとめる。フレンチオーク小樽（ボルドー産、新樽５０％）で計２２ヶ月間樽熟成。

果実が良い熟成パターンに恵まれた年。ブラックベリー、ブラックカラントなど、黒いベリーの果実香。スパイス、ダーク　チョコレートの風味にオークが複雑さ。凝縮した果実とシルキーなタンニン、長い余韻。１００％ＭＬＦ後、９ヶ月間樽で寝かせ、ブレンド後、さらに熟成。２００５年１１月瓶詰め、２００８年リリース。

チェリー、ブラックベリー、カシスの香りになめし皮やタールが繊細に重なる。鮮やかなブラックベリーとチェリーの果実はオークや鉛筆の芯のような複雑な風味を伴い、快活な酸とタンニンによる堅牢な骨格がバランスよく全体をまとめる。１９８２－８７年植え付けのリボンヴェイル ヴィンヤードのメルロを手摘み、フレンチオーク樽（新樽１４％）で２８ヶ月間熟成。

赤スグリやブルーベリー、スミレにラムレーズン チョコ、タールや白コショウが明るいタッチ。きめ細かいタンニンに覆われた赤い果実の風味は力強く凝縮し、カベルネらしいセイヴォリーな風味とトースティなオークが長い余韻に伴う。単一畑リボンヴェイル ヴィンヤードのブドウは手摘み、フレンチオーク樽（新樽１６％）で２６ヶ月間熟成。

ダークフルーツの豊かな果実と滑らかな質感がバランスのよいミディアムボディで、きめ細かいタンニンがオーク樽の風味に溶け込み、しっかりとしたストラクチャーが長い余韻に導く。手摘みブドウをフレンチオーク樽で１１－１２ヶ月熟成。Ｌ．Ｔ．Ｃｆ＝Ｌｉｔｔｌｅ ｔｏｕｃｈ ｏｆ Ｃａｂｅｒｎｅｔ Ｆｒａｎｃ を意味する、５品種のボルドーブレンド。

カシスや木イチゴの凝縮したアロマにクミンやクローヴ、カルダモンのスパイスが深く複雑に層をなす。黒く力強い果実は緻密なタンニンが構成するしなやかな骨格に支えられ、オリーブやタイム、杉、ミネラルの風味が味わいの輪郭を立体的に際立たせ、全体をまとめる。フレンチオーク小樽（ボルドー産）で計２２ヶ月間樽熟成。

ルーウィンの赤トップキュベ。発酵後のワインはフレンチオークでＭＬＦ終えて９ヶ月間熟成させ、ブレンド後に更に樽熟成。合計２３ヶ月間を樽で過ごした。黒スグリ、ダーク チェリー、桑の実のフルーツの印象が強いブーケに、アニス、ココア、クローブ、キノコなどの複雑さが重なり合う。オークと酸のバランスときめ細かいタンニンが美しい。