悲劇の2020年を起死回生するこのヴィンテージだけの特別ワイン!
2020年8月の終わりと9月後半に起きた2度の山火事によりナパ・ヴァレーは大きな被害を受けました。数か所の施設、ワイナリー、畑が消失し、ヴァレーには煙が立ち込めました。既に、収穫が終わっていた白ワイン用の葡萄は被害を免れましたが、ほとんどの赤ワイン用の葡萄は煙の影響を受けました。レアム・セラーズでは、何度も検証を重ねた結果、2020年全ての赤ワインの製造を断念しました。
このロゼ・ワインと白ワインのフェデリオだけが悲劇を救うことになりました。8月終わりの山火事が発生した直後、栽培管理を自分たちで行い、自分たちの判断で収穫を決定できる自社畑の二つからテスト的に収穫した葡萄(プレミアム赤ワインを造るにはまだ完熟していないが、未熟の青さは無い)からロゼを造ることを決断しました。
しかしながら、レアム・セラーズの信念は「ナパ・ヴァレーの最高の畑から最高級の芸術品を造り上げること、それぞれの畑が持つ可能性を探求、追求し、土地が内包する個性や真実をワインに表現すること。」である為、ロゼは、そのコンセプトに反するとも考えられ、リリースするかどうかは検討課題でした。
その後、全ての赤ワインを断念することになり、落ち込むスタッフを元気づける為にも、今までにない繊細な温度管理が必要な、このロゼの醸造は、レアム・セラーズのスタッフを元気づける役割を果たすことにもなりました。
2021年の最初に仕上がった、このロゼは素晴らしく、冷たい霧と風の影響を受けるナパ・ヴァレー南の二つの自社畑の特徴を良く反映していることを確認しました。そして何よりも「美味しすぎてボトリングしないわけにはいかない!」と判断し、リリースを決断しました。
2021年初夏に通常ボトルで少量リリース後、2022年春にこの美しいボトルで再リリースしました。
プレシャス・ツインの名前は、このリリース・タイミングが違う二つの兄弟ワインと、ラベルに描かれているマヤ文明の蛇の神が対あるいは双子として崇められることから命名されました。
色合いは、淡いサーモン・ピンク。生き生きとした柑橘系の香り、ストロベリー、ラズベリー、花の香などがグラスから溢れるように立ち上がります。味わいには、スパイシーでハーブのニュアンス(フェンネル、白胡椒、ブーケガルニ)や、複雑な要素が様々に重なり合い、普通のシンプルなロゼより、秀逸な酸が存在し、辛口に仕上がっています。ミディアム・ボディで辛口。余韻にもスパイス感と赤系ベリーが心地よく残ります。
■レアム・セラーズについて
創業者ホワン・メルカードが2002年設立。ナパ・ヴァレーの最高の畑から最高級の芸術品を造り上げること、それぞれの畑が持つ可能性を探求、追求し、土地が内包する個性や真実をワインに表現することを信念としています。
2012年、元ハーラン/ボンドの財務担当スコット・ベッカーが参入。レアムの価値観、コンセプト、マーケティングをゆるぎないものに確立していきます。2015年スタッグス・リープ・ディストリクトにある元ハートウェルの畑とワイナリーを取得し、今までクラッシュパッドでのワイン造りでしたが、自社ワイナリー、自社畑を得ました。
2019年に、創業者ホワン・メルカードが引退し、スコット・ベッカーがオーナー社長となりましたが、新しい投資、発展は続き、次世代を考えた自社畑の改植なども進めています。将来を見据えた指導力によりレアムの前進は続いています。
チーフ・ワインメーカーは、ブノワ・トゥケ。アリエッタ、ファヴィア、ハートウェル、オーヴィッド、スクリーミング・イーグル等で著名なワイナリーで修業を積んでいます。レアムの2013ヴィンテージでワイン・アドヴォケイト(パーカー)100点を3つ獲得、無名だったワイナリーを100ポイントゲッターに引き上げた手腕が高く評価され、コンサルティングも増え、今後とも動向には目が離せない人物です。
- Realm Cellars Precious Twin Rose Napa Valley[2020]
- アメリカ/カリフォルニア/ナパ/ナパヴァレー
- スティル ワイン色: ロゼワイン甘-辛: 辛口
- メルロー90%、カベルネソーヴィニヨン10%
- 750ml