ジリー ワインズJilly Wines
ジャレッド・ジリー・ディクソンは、ニュー・サウス・ウェールズの沿岸に広がる山林で材木業を営んで来た木こりの一族出身です。いつしか材木ではなく、ブドウ樹への愛と情熱に目覚め、とうとうワイン作りに身を投じる事となりました。
夢を以て、青年期のエネルギーを抑え込めないでいる沢山の若者同様、ジャレッドの青春は音楽に向けられていました。プロのドラマーとして大成を目指していた彼は、ロンドンへと移住し、生活の為にレストランのキッチンで職を得ます。幾つかのカバーバンドを転々としながらドラムを叩き、オーディションを受けては、落選の通達を受ける日々。
同時に、キッチンの中で食への情熱に火が点き始め、ドラム同様に自分自身の全てを捧げるフィールドに巡り合いました。それはワイン。特にサービスではなく、飲料としてのワインは音楽同様に自分を自由に表現出来る偉大なるカテゴリーだと毎晩飲むボトルを通して確信を持つに至った訳です。
ロンドンでの数年を経て帰国し、チャールズ・スタート大学で醸造学を修めたジリーが選んだ就職先はオーストラリア最古のワイナリーであるホートン。185年の歴史を持つこの歴史的ワイナリーが誇る13人の醸造チームの一員として4年の研鑽を積みながら、ジリーが思い描いていたワインの姿は劇的な変貌を遂げました。既に、活躍していた同世代のパトリック・サリヴァン達に刺激を受け、ナチュラルなワインが持つ魅力から抜け出せなくなっていたのです。
満を持してジリーがワインを作り始めたのは故郷ニュー イングランド。「超」が付くほどのマイナー地区で生まれたワインとは到底思えない液体が生まれ始めたのは僅か3年前の事。現在最も将来を期待されている生産者と言われています。