ジャイアント ステップスGiant Steps
ジャイアント・ステップス早わかりポイント
- ワインジャーナリストの山本昭彦氏は“高騰するブルゴーニュの強力なライバル”と評価
- ブルゴーニュワインのように冷涼感を表現した抑制されたスタイル
- ワイン&スピリッツ誌の年間トップ100ワイナリーに7回選出
- ワイナリー名の由来はジャズ・サックス奏者ジョン・コルトレーンの名盤『ジャイアント・ステップス』から
冷涼なヤラ・ヴァレーの個性を表現する『ブルゴーニュの強力なライバル』
ジャイアント・ステップスは、1998年に設立されたオーストラリア、ヤラ・ヴァレーのワイナリーです。
ビクトリア州の州都メルボルンの北東に位置するヤラ・ヴァレー。オーストラリアの中でも冷涼な気候であることから、高品質のピノノワールや上品で高い熟成ポテンシャルを持つシャルドネを育むワイン産地として知られています。
ここ、ジャイアント・ステップスも、ヤラ・ヴァレーの冷涼な気候の中で素晴らしいピノ・ノワールやシャルドネを手掛け、土地の個性を表現したワイン造りを行っています。
なかでも単一畑のワインは、標高や土壌などそれぞれのテロワールから異なる個性が引き出され、ブルゴーニュのように畑の違いを楽しむことも。
品質に対する評価も高く、ジェームズ・ハリデーのワイン・コンパニオンにてワイナリーが5つ星を獲得。また、日本の有名なワインジャーナリスト山本昭彦氏が、「高騰するブルゴーニュの強力なライバル」と絶賛するほどの実力を持つワイナリーです。
ワインを造るまではビール醸造家でした
ジャイアント・ステップの創業者フィル・セクストンは、オーストラリア初のクラフトビール醸造所マチルダベイ・ブリューイング・カンパニーやリトルクリーチャーズを設立した豪州クラフトビールのゴッドファーザーとも言われるビール醸造家。
そんなフィルが次に手掛けたのはワイン造り。
1996年、初めてワイン造りをスタートした西オーストラリア州マーガレット・リバーのデビルズ・レア・ヴィンヤードを売却したフィルは、新たなワイン造りができる理想の場所を探し始めます。
そして1997年に、フィルの理想とする、冷涼な気候でピュアで繊細なシャルドネとピノ ノワールが栽培できる理想の場所ヤラヴァレーにたどり着いたのです。
ワイナリー名の由来はモダンジャズのサックス奏者ジョン・コルトレーンが1960年にリリースしたアルバム「ジャイアント・ステップス」から。複雑に変化するコード進行とBPM240を超えるハイテンポの演奏は当時のモダン・ジャズから逸脱しているとして話題となりました。コルトレーンのような時代を先行く存在になるという想いと、アップダウンのある曲調がヤラ・ヴァレーの起伏に富んだ地形を想起させるとして命名されました。
ファースト・ヴィンテージは2001年。ワラメイト・レンジの急斜面に植えたセクストン ヴィンヤードのブドウから造られました。
2021年、ヘッド・ワインメーカー兼ブドウ栽培長としてメラニー・チェスターが就任。
メラニーは、2015年に『Gourmet Traveller WINE』誌のヤング・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選出され、2018年にはオーストラリアの若手醸造家の賞であるYoung Gun of Wineのファイナリスト兼一般投票により選ばれるピープル・チョイス賞を受賞した実力を持っています。
現在、ジャイアント・ステップスはアメリカのワイン企業ジャクソン・ファミリー・グループの傘下に。創業者のフィル・セクストンはワイナリーのGMとして残り、ジャイアント・ステップを支えています。
フィル・セクストンは『ジャクソン・ファミリーに入ったことによってアメリカのワイン愛好家にもオーストラリアの冷涼なピノとシャルドネを知ってもらえるようになる。ジャイアント ステップスの未来はまだ始まったばかりだ』と語っています。
ジャイアント・ステップスに対する世界的な評価
ジャイアント・ステップスは、これまでに高い評価を得ており、30を超えるトロフィーと100以上のゴールドメダルを国内外で受賞。また、日本の著名ワインジャーナリストの山本昭彦氏が、「高騰するブルゴーニュの強力なライバル」と絶賛するほどの実力を誇っています。
主な受賞歴
- ワイン&スピリッツ誌TOP100ワイナリー7年選出(2013年~2018年、2022年)
- 2022年ワイン・エンスージアスト誌TOP100 第1位/ アップル・ジャック ヴィンヤード ピノノワール 2020
- 2022年ワイン・スペクテイター誌TOP100 第18位/ ヤラ・ヴァレー ピノノワール 2021
- ジェームス・ハリデー・ワイン・コンパニオン5ッ星
- 2023年ジェームス・ハリデー・ワイン・コンパニオンTOP100ワイナリー 第4位
畑の個性を際立たせる丁寧なワイン造り
ジャイアント・ステップスでは、「それぞれの畑の個性を際立たせることが、ブドウやワインのクオリティ向上に繋がる」という考えの下に、ブドウの栽培とワインの醸造を行っています。
栽培においては、各畑の個性を際立たせるために、全ての畑においてサステナブル農法を実施。収穫は手摘み、選果も手作業で行っています。
醸造においては、プレスは時間をかけてゆっくりと行われ、それぞれの畑由来の土着の酵母を使用して発酵。添加物は最小限に抑えており、ボトリングまでの工程では、重力を利用したグラヴィティーシステムを採用しています。
このようなブドウの個性を活かした醸造を行うことで、ワインは冷涼なヤラ・ヴァレーのテロワールが見事に表現された、ブルゴーニュにも匹敵するエレガントなスタイルに仕上がるのです。
6つのシングルヴィンヤード
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セクストン・ヴィンヤード
標高130~210m、ワラマテ山脈の北向きの急斜面に面しています。畑が位置するエリアは、表土が薄く、堅い岩が多い砂利粘土質の土壌を備えているのが特徴。この厳しい環境によって、自然にブドウの収量が抑えられるため、凝縮感のある風味豊かなワインが生まれます。 -
アップルジャック・ヴィンヤード
標高180~260mに位置する、アッパー・ヤラ・ヴァレーの急斜面にある畑です。 高い標高の冷涼な気候は、ブドウの成熟期を長くするため、ピノ・ノワールやシャルドネの栽培に適しています。 玄武岩がベースの火山性土壌で、ゴロゴロとした石の多い表層でブドウが育ちます。 この畑で造られるワインの特徴としては、スッキリとしたスパイシーさとしっかりとした味わいが挙げられます。 また、長い余韻も特徴です。 - ウォンバット・クリーク・ヴィンヤード
ヤラ・ヴァレーのブドウ畑の中で最も標高の高い400mに位置しています。 冷涼な気候を表現したワインを造るのに理想的な場所で、鉄分をベースとした火山性土壌です。 もともとはスパークリングワインのベースワインを造る目的で1988年にブドウが植えられましたが、後にピノ・ノワールとシャルドネのスティルワインも造られるようになりました。 柔らかく長い余韻としっかりとした味わいのワインが生まれます。 -
プリマヴェーラ ヴィンヤード
標高240mに位置するプリマヴェーラ ヴィンヤード。 クローンの多様性とヴィンヤードの赤い火山性土壌は、プリマヴェーラ ヴィンヤードのピノ ノワールに特徴的な芳香と濃厚な風味に貢献しています。 -
タラフォード ヴィンヤード
標高100mの位置にあるタラフォード・ヴィンヤードは、近隣の畑よりも冷涼な微気候に恵まれています。天然の酸が高い(pHが低い)シャルドネが造られ、特徴的な長い味わい、きめ細かく引き締まった骨格、レモンとグレープフルーツの爽やかな後味が表現されています。 -
バスタード ヒル ヴィンヤード
急な斜面と標高380mという高さからバスタード・ヒルと名付けられたこの畑は、2022年にジャイアント・ステップスの自社畑となりました。シャルドネとピノ ノワールのみを栽培しています。
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