パイン リッジPine Ridge
1979年設立の銘醸蔵。ナパの老舗「パイン・リッジ」
自社ブドウでワインを造る数少ないナパの優良生産者
1978年ナパの銘醸地、スタッグス・リープ・ディストリクトの西側斜面にそびえる松林沿いに、ゲイリー・アンドラス氏によって設立されました。アンドラス氏はボルドーの傑出した品質に強く魅せられ、ナパ・ヴァレーが同じようなポテンシャルを持つ産地であると信じてワイナリーを設立。35年以上にわたりブドウを栽培・醸造する、ナパでは数少ない自社ブドウでワインを造る醸造所です。(白ブレンドのみセントラル・ヴァレーにある契約農家のブドウを使用)
アンドラス氏のパイオニアとしての多大な努力の結果、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドーといったボルドー品種で大きな成功を手にし、他には無い素晴らしいワインをうみ出しました。現在ではナパの5つの銘醸地【スタッグス・リープ・ディストリクト、ラザフォード、ハウエル・マウンテン、オークヴィル、カーネロス】内に広がる、様々な標高や斜面に点在する自社畑(80.9ha)でブドウを栽培しています。
継続性とバランスを兼ね備え、そして工芸品のように一つ一つ丁寧に造られてきたワインは、これまで長年受け継がれ、年を追う毎にさらに洗練された姿でアペラシオンの特徴を表現しています。現代的なナパワインとは異なり、テロワールを反映したクラシックな味わいで、旧世界を彷彿させる、洗練された素晴らしいバランス感とエレガンスを兼ね備えて高い評価を獲得しています。
斬新さと持続性、そして伝統
旧世界に代表される伝統的な醸造方法で、高品質なブドウから落ち着きがありバランス感とエレガンスを兼ね備えたワインを産みだすこと。そして、持続性と斬新さのあるワインを追求しています。
醸造家であるボーラック氏は「勿論トレンドは意識しますが、一番大切なことは伝統的で健全なワイン造りを行うというワイナリーの哲学を忘れないこと。」と述べます。『パイン・リッジのアプローチはまるで、大切な食材を最大限に生かそう、輝かそうとする料理人のようだ』と表現する料理人がいるほどです。
継続することの大切さ
卓越したワインをうみ出すこと。それは、長い年月をかけて、土地、気候、ブドウ樹の特性を理解して初めて成し得ることが出来ます。そして、テロワールの特徴を見出し、それをワインに表現することは一種の芸術と考えています。この芸術を真に表現することこそが、ワイナリーの願いであり、ワイン造りにおける哲学の柱です。
91haの畑を全て手作業で管理するというのは簡単にできることではなく、時には行き過ぎているのではないかという人もいるでしょう。しかし、パイン・リッジのワインを飲んでいただければ、造り手の意図を理解いただけると信じています。
松林(パイン)が広がる尾根線から名前が付けられた
最初に開墾したスタッグス・リープ・ディストリクトに位置する畑は、丘の上の険しい松林が広がる斜面の尾根線に位置した事から、パイン(松)・リッジ(尾根線)と名付けられました。
12の自社畑が持つ多彩なミクロクリマ
ナパ地区に点在する12の畑はそれぞれ、標高、傾斜度、向きなどが異なることで、それぞれ違った気候環境を持ちます。それぞれの畑はナパ南方に位置するサン・パブロ湾から立ち上がってくる冷たい霧の影響と、夕刻に東の渓谷から吹きつける冷たい風の影響を受けます。
これにより日中は温暖ですが、夜間には温度がぐっと下がることで寒暖差が生まれ、引き締まった天然の酸を育みます。霧の到達時刻はそれぞれの畑の区画によって異なり、南部のカーネロスは殆ど一日中霧の影響を受けることから、シャルドネやメルロー、ピノ・ノワールに適しています。
同じようにボルドー品種も、それぞれ異なる畑からブドウを栽培することにより、ワインに複雑味を与え、テロワールが表現された高い品質の味わいがうみ出されます。
大人気の白ブレンド「シュナン・ブラン/ヴィオニエ」
オンリーワンな味わいとして、アメリカで幅広い支持を得るシュナン・ブラン/ヴィオニエ。原料のブドウは、自社では無くセントラル・ヴァレーに位置する2つの地区から収穫します。ボトルにシュナン・ブランの文字が記載されたワインとしては、そのシェアは92%と、ほぼパイン・リッジの独占品種であることがわかります。
<ブレンド比率と特徴>
80%:クリスピーで蜂蜜香を持つシュナン・ブラン
デルタ地区に位置するクラークスバーグ地区で生育されたブドウを使用。糖度が低い状態で収穫し、若々しい果実味を引き出しアルコールも控えめなワインを産みだします。
20%:芳醇なボディと白いアロマが魅力のヴィオニエ
ロダイ地区で栽培。ブリックス度が24と高い状態で収穫する事で独特の華やかなアロマや品種特有の粘着性のある口当たりとスパイシーな要素を引き出しています。
5つの銘醸地のブドウをブレンドした贅沢な「ナパ・カベルネ」
ナパ産地の中でも特に秀でたワインを産みだすことで知られる5つの地区、スタッグス・リープ・ディストリクト、ラザフォード、ハウエル・マウンテン、オークヴィル、カーネロス。これら5地区に点在する、様々な環境で育つ自社ブドウから別々に醸造・熟成させたブドウをブレンドして産まれるボルドーブレンド。
ワイン&スピリッツ誌は、”パイン・リッジ カベルネ”をナパを代表するTOP25のワインと称します。
ナパの気品溢れるテロワールが随所に表現された、複雑味とパワーを兼ね備えたワインです。
カーネロスの冷涼な気候で育つ特別なシャルドネ
ディジョン・クローンズシャルドネは、カリフォルニアシャルドネを語る時、忘れてはならない銘醸地「カーネロス」の自社畑で栽培されています。フランス産のディジョンクローンを使用し、小粒で凝縮したブドウを産みだしています。