レイヴェンスウッドRavenswood
一度見たら忘れられない、日本の家紋をイメージしてデザインされた、三羽のカラスラベルでおなじみの『レーヴェンスウッド』。
創設者の“ジョエル・ピーターソン氏”はジンファンデルのゴッドファーザー(Godfather of Zin)として知られ、 2011年にはカリフォルニアの『ワイン名誉の殿堂』入りを果たすなど数々の栄誉に輝いている方。 ちなみに、現在までに殿堂入りを果たしているのは、ロバート・モンダヴィを含むたった44名という大変名誉な賞なんです。
DATE: 2015.10.23
レーヴェンスウッド 創設者
ジョエル・ピーターソン氏
がワッシーズにご来店♪
社内向けセミナーを実施していただき、レーヴェンスウッドのこと、ジンファンデルという葡萄品種のことを詳しくおしえてくださいました。
ジョエル・ピーターソンさんとワインの出会い
ジョエルさんのワイン歴は、なんと10歳から始まります。
彼が幼い頃、ご両親が初めてワインをケースで購入。1950年代の頃のこと、それほど高額ではなかったようです。しかし、そのケースには1929年のイケムや、1945年のオーブリオンなどが入っており、ジョエルさんの両親はすっかりワインの虜に。聞くだけでも魅力的!
1950年代、カリフォルニアにはまだワインを楽しむ方はそう多くなかった時代でしたが、ワインにのめりこんだお父様は、その楽しみを分かち合う仲間を求め、自らワインクラブを立ち上げ、会報などを発行するようになったそうです。
ところが会報を発行するにあたって、お父様はワインの香りや味を表現することに苦労され、どうしたらもっとシンプルに表現できるのかと悩まれたそう。
そこで当時10歳の息子、ジョエルさんの言葉であればシンプルなので伝わりやすいのではと閃き、ジョエルさんに香りを嗅がせて意見を求めたそう。この特徴を表現するための経験が後のワイン造りの訓練になったといいます。
ジョエルさんが18歳になった頃には、ずいぶんワインの知識は蓄積されていましたが、ワインはあくまでも趣味。そのころは医学を勉強する大学生でした。
同じ時期、1973年からの3年間偉大なるジンファンデルの作り手と言われたジョセフ・スワン氏に師事。ジョエルさんは『お金もワイナリーも持っていないが、美味しいワインを造る自信がある』と一念発起。研究のため、一日10時間もの間部屋にこもる日々から一転、ワイン造りを目指すことになります。
No Wimpy Wine
1976年にはレーヴェンスウッドを立ち上げますが、その頃カリフォルニアのワインは「BEST JUG WINE IN THE WORLD」世界で一番水差しに入れて飲むのが似合うワインなんて言われていた時代。10年間小さなヴィンヤードでジンファンデルのみを造りつづけるものの経営は困窮していきます。
その当時流行したホワイトジンファンデルも合わせて生産するべきだという提案もありましたが、ジョエル氏の答えは”No Wimpy Wine”(軟弱なワインなんか作ってられるか!)
その代わりにジョエル氏は、もっと親しみやすく、飲みやすいスタイルのジンファンデルを造ることに決めました。オークでの熟成期間を減らし、もっと短い期間でリリースすることで、コストパフォーマンスに優れたワインが完成。これこそが、現在多くの人々に愛されている「ヴィントナーズブレンド」なのです。
周りを気せず、自分の考える道を貫いてジンファンデルを造り続けた結果、2011年にはカリフォルニアのワイン産業に大きく貢献した人に与えられる『ワイン名誉の殿堂』に殿堂入り。2013年には北アメリカワインメーカートップ20にまで名前を連ねるまでになりました。