ロデレール・エステイトが手がける、この「エルミタージュ」は、優れた年にのみ造られる特別なキュヴェ(テート・ド・キュヴェ)で、すべて自社畑で栽培されたブドウを使用した、カリフォルニアらしい個性豊かなスパークリングワインです。フランス伝統の製法で醸造され、さらに特別にオーク樽で熟成させたリザーヴワインを加えることで、いっそう深みのある味わいに仕上げられています!
■生産者のコメント
2019年ヴィンテージは、カリンのペーストや、軽やかなパイ生地を思わせる上品な香りが特徴です。口に含むと、いきいきとした印象とともに、口中には繊細な質感が感じられます。フィニッシュには、洋ナシの皮を思わせる風味と、なめらかでクリーミーな口当たりが広がり、心地よい余韻が長く続きます。
■栽培について
カリフォルニア州メンドシーノ群のアンダーソン・ヴァレーに位置する自社畑から収穫したブドウが使用されています。
2018年は冷涼な年で酸味が際立ったヴィンテージでしたが、「2019年」は、それに比べてバランスの取れた年となりました。5月下旬まで豊富な降雨があり、春の霜害もごくわずか。気温は穏やかでありながら2018年よりやや高めで、量・質ともに健全なブドウが収穫されました。粒のサイズも大きく、果汁の歩留まりが良好だったうえ、酸も穏やかで、ブレンドの選択肢が広がる多彩なワインが生まれました。
■醸造について
ロデレール・エステートでは、ワインの仕込みに一番搾り果汁(キュヴェ)のみを使用し、二番搾りや三番搾りにあたるプルミエール・タイユ、ドゥジエム・タイユの果汁は一切使用していません。
「エルミタージュ」は、シャンパーニュと同様に、その年の最良のブドウだけを厳選して仕込まれる特別なヴィンテージ・キュヴェです。こうして造られたワインは、長期熟成にふさわしい“高貴なブレンド”となり、気品あるエレガンスと繊細さ(フィネス)を備えた上質な味わいに仕上がります。
2019年のエルミタージュは、このフラッグシップ・キュヴェにとってひとつの節目となるヴィンテージです。この年から初めてマロラクティック発酵を取り入れたことで、よりなめらかで親しみやすいスタイルへと進化しました。pH値は、滑らかな口当たりで高い評価を受けた2006年ヴィンテージに近く、クラシックな引き締まったスタイルというよりも、やわらかく穏やかな印象となっています。そのため、ドサージュ(補糖)は控えめに抑えられ、比較的早い段階で楽しめるスタイルとして仕上げられました。
全体の約4.9%のワインはオーク樽で発酵され、8週間にわたってやさしくバトナージュ(澱の撹拌)が施されました。ドサージュに使用されたリキュールには、4年間オーク樽で熟成された特別なリザーヴワイン(2016年ヴィンテージのシャルドネが3.9%)が用いられています。デゴルジュマン(澱抜き)の後は、瓶内でさらに7か月間、コルク下で熟成され、ワインとしての完成度を高めてからリリースされています。
デコルジュマン(澱抜き):2024年2月。ドサージュ(補糖量):6g/L。TA(総酸):6.56g/L。pH:3.19。アルコール度12.9%。
■ロデレール・エステートについて
ロデレール・エステートは、フランス/シャンパーニュのルイ・ロデレールが、カリフォルニアで手掛けるスパークリング専門のワイナリーです。
ロデレール・エステートが位置する、カリフォルニア州メンドシーノ群のアンダーソン・ヴァレーは、ルイ・ロデレールがカリフォルニアに進出する際に2年間もの時間をかけて探し出した、スパークリングワインを造るのに最適なテロワール。1982年にルイ・ロデレールの5代目当主であるジャン・クロード・ルゾー氏が、最初の畑を購入したことを皮切りに、徐々に畑を買い足しワイン造りを行ってきました。
1988年にスタンダード・キュヴェのカルテット・ブリュットを初リリース。リリース間もない頃から、ワイン・スペクテイターを始めとしたワイン評価誌で軒並み高評価を獲得し続けています。また2013年には、優良年にのみ造る特別なキュヴェ「エルミタージュ・ブリュット 2004年」がアメリカのワイン評価誌、ワイン・エンスージアストの年間TOP100において、世界第1位に選ばれる快挙を成し遂げたことでも話題となりました。
まさに、シャンパーニュのトップ・メゾン、ルイ・ロデレールが、そのまま、カリフォルニアの地に渡ったと言っても過言ではなく、ロデレール・エステートはカリフォルニア随一の造り手として、上質なスパークリングワインを造り続けています。
- Roederer Estate L'ermitage Brut[2019]
- アメリカ/カリフォルニア/メンドシーノ/アンダーソンヴァレー
- スパークリング ワイン色: 白甘-辛: 辛口
- シャルドネ52%、ピノノワール48%
- 750ml