アントヒル ファームズAnthill Farms
アントヒル ファームズ ワイナリーの早わかりポイント
- 名門ウィリアムズ セリエム出身の若手醸造家3人の化学反応によって生まれる新世代のスターワイン
- ワイン&スピリッツ誌“世界TOP100ワイナリー”に過去3度選出された実力
- ブルゴーニュワイン評論の権威も絶賛する畑の個性が光るピノノワール
理想のピノノワールを造るため、立ち上がった熱き3人の若者
アントヒル ファームズは、ピノノワールをこよなく愛する若手敏腕醸造家3人組によって2004年に設立されたワイナリーです。
メンドシーノやソノマなど、厳選したノースコーストの冷涼地から生まれるエレガントなワインは、ブルゴーニュと見紛うほど優美であると言われています。
アントヒル ファームズの3人は、普段はそれぞれ別のワイナリーで勤務しています。そのため、彼ら自身のワイン造りは深夜に及ぶこともしばしば。夜中の3時に圧搾を開始し終わるまでの間、セラーのパレットの上で仮眠を取りながら過ごしたこともあるそうです。
ワイナリー名の“Anthill”は“蟻塚”を意味しています。昼夜問わず懸命に働く姿や、醸造タンクに彼らが集う様子は「まるでブドウに群がる蟻のようだ」と形容され、ワイナリーのシンボルとなっています。3人の出会いによって起きた化学反応は、誰もが目を丸くするような快挙をもたらします。
アントヒル ファームズのワインは設立からわずか4年で、ブルゴーニュワイン評論の権威アラン・メドー氏や、ヴィノスのアントニオ・ガッローニ氏などから称賛され、多くの愛好家を魅了する存在となりました。
また2009年には、食の専門誌“フード&ワイン”のアメリカン ワイン アワーズにおいて「最も有望な新進気鋭のワイナリー」としてアントヒル ファームズが表彰されました。
そして2011年には、ワイン雑誌“ワイン&スピリッツ”において、ソノマの『フラワーズ』やフランスの『ルフレーヴ』『ギガル』と並び、世界TOP100ワイナリーに選ばれています。アントヒル ファームズは2011年の初エントリーを皮切りに、2015年、2018年とこれまでに3度、TOP100ワイナリーへの選出を果たしています。
フレンチ・ランドリーなどの有名レストランが、この突如現れた新星ワインをこぞって求めたことから、ワイナリーの名が知れ渡りました。アントヒル ファームズは、今や入手困難なカリフォルニアワインのひとつとして名立たる生産者と肩を並べています。
ウィリアムズ セリエムでの出会いから、念願の初リリースまで
アントヒル ファームズの醸造家である、アンソニー・フィリベルティ氏、デイヴィッド・ロウ氏、ウェブスター・マルケス氏の3人は、『ウィリアムズ セリエム』でワイン造りを学んでいた2003年に出会いました。『ウィリアムズ セリエム』 は“世界で5本の指に入るピノノワール生産者”と称えられるほどの一流ワイナリーで、カルト的な人気を誇っています。
当時、アンソニーとデイヴィッドは30歳、ウェブスターは弱冠24歳。味覚や理想とするワイン造りが似ていた3人は意気投合し、共にワイナリーを設立する夢を語り合い、その方法を模索しました。
純粋にピノノワールを愛する3人の目標は最初から明確でした。
それは「冷涼な気候をもつノースコーストの様々な畑から、表情豊かでエレガント、そしてなにより美味しいピノを造りたい」ということです。
3人のバイタリティは凄まじいもので、2003年の『ウィリアムズ セリエム』での収穫が終わってからすぐに計画は実行へと移されます。
アントヒル ファームズの若きオーナーたちは情熱もさることながら、畑のテロワールを見極める才能も持ち合わせていました。ノースコーストの沢山の畑から、まずは2つの特別なピノノワールを見つけ出すことに成功。彼らが探し求めたのは「周囲の畑とは違う特徴を持った、自分たちに語りかけてくるような畑」だったと言います。
また醸造施設は、デイヴィッドが働くソノマの『パパピエトロ ペリー』のオーナーが無償で提供してくれることとなりました。
なんと、たった1年でアントヒル ファームズとしてワインを醸造できる環境に漕ぎ着けたと言うから驚きです。
2004年のファーストヴィンテージは単一畑2種のみ、それぞれ数樽だけの限られた量ではありましたが、3人の行動力と努力が実を結び、宝物のようなワインの誕生に至りました。
設立当初は、畑も醸造施設も潤沢な資金も持たない、駆け出しの醸造家が共同オーナーという前代未聞のワイナリーに対して、「上手くいくはずがない」と周囲から心配の声ばかりが寄せられました。 しかしアントヒル ファームズは瞬く間に、高い評価を獲得するワイナリーへと駆け上がっていったのです。
アントヒル ファームズのワイン造り
アントヒル ファームズでは「畑の世話は最大限に、醸造で手を加えるのは最小限に」をモットーとし、サスティナブル農法の畑からワインが造られています。
畑のキャラクターを引き出すため、自然酵母で発酵を行い、熟成におけるフレンチオーク樽の新樽率は10~40%ほどに抑えられています。
ワインをタンクから移動させる際はポンプを使わず、無清澄・ノンフィルターで瓶詰めされます。これらのクラシックな醸造方法によって、表情豊かでエレガントなピノノワールが生まれます。
アントヒル ファームズが選び抜いたノースコーストの畑
醸造段階ではなるべく手を加えないことを掲げているアントヒル ファームズのワインで、肝心要となるのは畑の選定です。
時には気難しい栽培家とも向き合いながら、情熱と謙虚さを持って歩み続け、設立から10年近くかけて慎ましいサイズながらも少しずつ畑を増やしていきました。
現在、アントヒル ファームズはメンドシーノ郡とソノマ郡の中の4つのアペラシオンで出会った、愛すべき畑のブドウからワインを醸造しています。
≪アントヒル ファームズのワインを生み出す代表的な畑≫
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アビー ハリス ヴィンヤード
アビー ハリス ヴィンヤードは、ファーストヴィンテージである2004年に用いられた、記念すべき畑のひとつ。ブドウ栽培もオーナーの3人によって行われています。 メンドシーノ郡・アンダーソン ヴァレーにある畑で、海抜約335m、ブーンヴィルの町を見下ろす位置にあり、石の多い砂質ローム土壌を有しています。 -
キャンベル ランチ ヴィンヤード
キャンベル ランチ ヴィンヤードは、アントヒル ファームズの中で最も旬な畑です。その理由は、ワインサーチャーが2021年秋に発表した“The World's Best Value Pinot Noirs”において、2018年産のキャンベル ランチ ヴィンヤード ピノノワールが、世界で最もコスパのいいピノ10選のひとつに輝いたため。 ソノマコーストの北端アナポリスの町のすぐ西にある太平洋に程近い冷涼な畑で、痩せた砂質のゴールドリッジ土壌を有しています。 -
ピュー ヴィンヤード
ピュー ヴィンヤードは、1940年代初頭に植樹されたカリフォルニア州最古のものと言われるシャルドネの畑で、アントヒル ファームズが手掛ける唯一の白ワインを生み出しています。ソノマ郡・ロシアン リヴァー ヴァレーの中央、サンタ ローザ北西郊外の平地に広がる畑です。
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