西オーストラリアWestern Australia

コーヒーロックと呼ばれる赤茶けた岩盤土壌の無灌漑畑のブドウは樹齢６０年以上の株仕立て。野イチゴ、ラズベリー、サワーチェリーなど赤い果実にフローラル香とかすかなドライハーブが混じる。瑞々しい果実味をキレのある酸と自然で適度なタンニンが支え、古木グルナッシュの風味をピュアに表現。一部を全房で自然発酵、果皮浸漬期間を長めに取り、旧樽で熟成。ＳＯ２の使用は最小限。

完熟いちじく、レモン、リンゴのアロマにマッシュルームが混じり、オレンジピールやレモンジャムを思わせる凝縮した果実の風味をしっかりした酸とかすかなタンニンの収斂性がバランスよく支え、フィニッシュはクリーン。１９７３年に植え付けた自社畑無灌漑栽培ブドウは手摘みし、全房圧搾、ステンレス槽熟成。

チェリー、ブラックベリー、カシスの香りになめし皮やタールが繊細に重なる。鮮やかなブラックベリーとチェリーの果実はオークや鉛筆の芯のような複雑な風味を伴い、快活な酸とタンニンによる堅牢な骨格がバランスよく全体をまとめる。１９８２－８７年植え付けのリボンヴェイル ヴィンヤードのメルロを手摘み、フレンチオーク樽（新樽１４％）で２８ヶ月間熟成。

弾けるようなグレープフルーツ、ネクタリンのアロマに樽の風味が香ばしい。レモンやグレープフルーツの皮、核果のふくよかで活力ある果実が重層的に舌を覆い、余韻に伴うクリーンなミネラルが全体を優雅にまとめる。手摘みブドウを全房圧搾しフレンチオーク樽で自然発酵、定期的にオリを撹拌しながら９ヶ月間熟成。

ライチやスグリ、パッションフルーツにキャラメルや焼きたてのパンの香り。豊かな果実味を酸のストラクチャーとかすかなタンニンがドライに引き締め、長い余韻はクリーミーに滑らか。ソーヴィニヨン ブランとセミヨンの手摘みブドウを発酵過程の後半からフレンチオーク樽発酵、１０ヶ月間樽熟成。

青リンゴ、イチジクに梨のコンポート、シナモンのニュアンスが複雑さを加える。完熟リンゴや花梨の豊富な果実の中に溌剌とした酸と僅かなタンニンが感じられ、旨みのある滑らかな余韻が長く続く。１９７３年に植え付けた自社畑無灌漑栽培のセミヨンから。

梨、柑橘、ジャスミンの花などのアロマは繊細さと力強さを兼ね備え、カルダモンやアーモンドが香ばしい。純粋で伸びやかな酸に豊かなミネラルとブリオッシュやシナモンの風味が伴い、重層的で存在感のある骨格が全体をまとめている。フレンチオーク新樽で発酵、１１ヶ月間熟成。１９８０年の初ヴィンテージから常に各国で高評価を得る、オーストラリアを代表するシャルドネ。

１９９５、２００１、２００２年などトップ ヴィンテージに匹敵するでき。ギュッと凝縮した深みと均整のとれた優美さが魅力。なかなか開かないが、余韻はとてつもなく長く、飲み干した後のグラスに残る香りが驚くほど複雑。テイスティング グラスでは青リンゴ、麦芽、黄桃、ナッツ クリーム、ブルゴーニュ グラスではオレンジ ヨーグルト、コアントロー、ライスペーパーなど、ボルドー グラスではグレープフルーツ、レモン、シリアル、ベーコンなどと全く異なる風味が堪能できる。最後にきれいな酸味が味を調えフィニッシュに至る。ワインが開くのを気長に待つ余裕があれば、至福の時間がやってくる。

温暖なヴィンテージでカベルネはよく熟し、メルロは例年以上に凝縮し風味豊か。タンニンと酸味のバックボーンがしっかりした長期熟成タイプのワインとなったが、舌触りがソフトなため意外に若いうちからも楽しめる。桑の実、森林、なめし皮、シナモンなどの香り、チョコやアーモンドを思わせるコクのある味わい。フィニッシュにかけてチェリー チョコのような風味が広がる。

梨、ライム、白桃の芳醇なアロマにジャスミンの花、アーモンド、ゴマ、ブリオッシュなどの香ばしさが混じり、複雑な層となって、しなやかにピュアで、途切れのない酸とミネラルが長い余韻が導かれる。初ヴィンテージ１９８０年から毎年高評価を得る、オーストラリアトップクラスに君臨するシャルドネ。

モスウッドのシャルドネらしい完熟した桃やキンカンのママレード香にローストしたナッツやショートブレッド、モルトの香りが複雑を加える。厚みのある口当たりのもと活力ある果実味が口中を満たし、フレッシュな酸がオークの香ばしい風味を伴う長い余韻に導く。手摘みブドウは除梗、ステンレス槽発酵後、ＭＬＦ、フレンチオーク樽で１８ヶ月間熟成（新樽５０％）。

今まででも特に良かった１９９５年、１９９６年、１９９９年のヴィンテージより良好。春先の雨量が多かったが、頻繁に殺菌用の硫素を使用することで一切カビ無しのブドウ収穫が出来た。ワイルドなスミレ、桑の実、ブルー ベリーにスグリのブーケに口いっぱいに広がる深いプラムなどのフルーツ。舌の中ほどはきめ細かいフルーツ、舌の奥ではオークの滑らかなタンニンが味わえる。ジューシーで濃厚なワイン。２０年超のセラーリング可能。

フローラル香にスパイスやカカオ、シャルキュトリーが複雑に混じり芳醇。カリンやプラムの凝縮した果実にアニスなどのスパイスと土っぽさが美しく溶け込み、緻密なタンニンが全体を包み込む。少量のヴィオニエとムールヴェードルがテクスチャーに複雑さを加え、優雅さと風格を備える。特定区画のブドウを全粒で浅めの開放式発酵槽で発酵、フレンチオーク大樽（３５００L）で１５ヶ月間熟成。

鮮やかなフローラル香とバスソルトやタルク、レモンやオレンジピールが香る。ライムやマンダリンオレンジのジューシーな果実をクリアな酸が支え、ほのかな塩っぽさが輪郭を際立たせる。鉄鉱石を多く含む土壌で栽培された樹齢約３０年のブドウを低温発酵、ほどよい厚みと酸がバランスした正統派の味わい。２０２４年かつてないほど乾燥した生育期で、低収量だが凝縮した果実が収穫できた。

プラムやブラックベリー、チェリーにオークやスパイス香が伴い、ふくよかで濃厚。ジューシーな果実に黒胡椒が複雑な風味を加え、厚みがありながらも冷涼シラーズらしい清涼な余韻に導く。「ロッキー ガリー」は、フランクランド リヴァーの栽培農家のブドウで造られる良質で手頃なレンジ。少量ブレンドしたマルサンヌ、トウリガ ナショナル、ムールヴェードルがワインに複雑さと厚みをもたらす。

チェリーなどの明るい赤い果実にカンパリ、森の下草が混じり、しなやかに優雅。静けさと洗練された力強さがある。標高３００ｍ、北向きの急斜面に位置する畑は砂利混じりの花崗岩土壌（グラナイト）で樹齢２０年、株仕立て、無灌漑栽培。手摘みブドウを冷却後選果、温度が上がらないようコントロールしながら自然発酵。２０％を全房発酵とすることで香りと骨格を引き出す。アンフォラ（２０％）と５００Ｌ大樽（８０％）で１１ヶ月間熟成。

桑の実、ダークチェリー、プラムの濃厚な果実味。醸造家のニックは「エレクトリック、エキセントリックでエクレティックな（刺激的でちょっと風変わりだが、まとまりのある）ワイン」という。シュナン ブラン ダイナミック ブレンドと同じ畑で樹齢３２年となるブドウ樹はバイオダイナミック栽培で棚を仕立てず、無剪定。ブドウは手摘みし５００Ｌ樽で自然発酵、１割は果皮を残し１２ヶ月間熟成。タンクに移してさらに３ヶ月熟成。

１９８７年以来の冷涼な夏、３月の気候で持ち直して最終的には暖かい年となった。若々しく深いレンガ色、熟したレッド カラント、土、チョコ、ヴァニラ、杉、鉛筆の芯の香り。魅力的な果実と熟したタンニンのため、２００６年はすぐにでも美味しめるが、複雑な風味から理想的長期熟成ワインになると予想される。

バラの花と摘みたてのチェリー、赤い果実の鮮やかなアロマ。ダークチェリーやラズベリーの果実味にトリュフを思わせる土っぽさが溶け込み、繊細なオークと上質なタンニンが全体をしなやかにまとめ、長い余韻に導く。６種のブルゴーニュクローンは無灌漑栽培で樹齢２９年。３０％を全房発酵し、フレンチオーク小樽で１０ヶ月間熟成。

無灌漑単一畑のカベルネ フランを主体とする、香り高さと奥深さを兼ね備えたボルドーブレンド。フレッシュな黒と赤の果実のアロマに杉やドライハーブ、チョコなどの風味が複雑に伴い、しなやかなタンニンに支えられた青い果実と月桂樹やスパイス、甘草のニュアンスが重層的に畳みかけながら長く優雅な余韻に導く。フレンチオーク大樽で１５ヶ月間熟成。