アンダー ザ ワイヤーUnder The Wire
アンダー・ザ・ワイヤーの早わかりポイント
- 単一畑、単一ヴィンテージ(生産年)、単一品種にこだわったカリフォルニアのスパークリングワイン
- 手掛けるモーガン・トウェイン・ピーターソンは、カリフォルニアワイン業界殿堂入りのジョエル・ピーターソンを父に持ち、自身もマスターオブワインの資格を持つサラブレッド
単一畑、単一ヴィンテージ、単一品種に特化したカルト的スパークリング
アンダー・ザ・ワイヤーは、『カリフォルニアワイン名誉の殿堂』入りを果たすジョエル・ピーターソンを父に持ち、自らもマスター・オブ・ワイン保持者であるモーガン・トウェイン・ピーターソンと、その学生時代からの親友でワイン業界で働いていたクリス・コトレルが共同運営しています。
アンダー・ザ・ワイヤーの特徴は、単一畑、単一ヴィンテージ(生産年)、単一品種に特化したスパークリングワインであること。
カリフォルニアでも選び抜かれた特別な畑から、唯一無二の個性を持つスパークリングワインをごく少量生産しています。多くの評論家から絶賛を受けていますが、その生産量の少なさからカルト化しているワイナリーです。
影響を受けたのは、2000年代に起こった“グロワーズ・シャンパーニュ”のムーヴメント。小規模生産者によるテロワールを重視した職人的なワイン造りは、大手メゾンと違って毎年安定した味わいではありませんが、個性的なシャンパーニュばかり。
アンダー・ザ・ワイヤーでは、カリフォルニアでも同じようにユニークで美味しく、テロワールに基づいた素晴らしいスパークリングワインが作れることを証明するために生まれました。
名前から分かるブドウへのこだわり
アンダー・ザ・ワイヤーの由来は二つ。
一つはそのままの意味でミュズレ(スパークリング・ワインのコルクと瓶を止める針金ワイヤー)の下にあるワインという意味。
そしてもう一つは、英語の表現で「期限にぎりぎりに間に合う」という意味から。
日照量の豊富なカリフォルニアでは、大手のスパークリング生産者は、ぶどうの酸味が落ちないよう、まだ青く糖度が低いうちから収穫してしまいます。しかしそれでは葡萄の成熟が十分ではなく、畑の個性は十分に現れません。
アンダー・ザ・ワイヤーでは、まさに「収穫のタイミングにぎりぎりに間に合わせる」ため、ブドウの酸味と成熟の丁度良いタイミングを見計らうのです。
アンダー・ザ・ワイヤーこだわりのぶどう畑
- ベッドロック・ヴィンヤード(ソノマ・ヴァレーAVA)
1954年から150年以上に渡ってブドウが栽培されている畑。
1854年に南北戦争のシャーマン軍司令官と、フッカー少将により所有・開墾・葡萄が植樹され、現在まで続く歴史的な畑。ピーターソン家が2005年に取得した大切な自社畑でもあります。
24種類栽培されている中から、アンダー・ザ・ワイヤーでは古樹のジンファンデルを使用しており、低糖度で複雑な奥行ある味わいと、強い自然な酸味の両方を兼ね備えています。
- ブロッソー・ヴィンヤード(シャローンAVA)
アンダー・ザ・ワイヤーとして初めて手掛けたのがここ、ブロッソー・ヴィンヤードのスパークリングワイン。
ピナクルズ国立公園の影に隠れたサリナス・ヴァレーの高台に位置するブロッソー・ヴィンヤードは、人里離れたシャロンAVAにあります。有機農法で栽培しているこの葡萄畑からは、州内随一のシャルドネとピノ・ノワールが生まれます。
- アルダー・スプリングス(メンドシーノ・カウンティAVA)
アルダー・スプリングス・ヴィンヤードはメンドシーノ群の北、周りには葡萄畑はほとんどない場所にあります。オーナーのスチュアート・ブリューリー以外にはこの場所で良質な葡萄ができるとはだれも思っていませんでしたが、今ではアンダー・ザ・ワイヤーをはじめ、パッツ&ホールやリース、アルノー・ロバーツなど、こだわりを持つ生産者が認めるぶどう畑となっています。
アンダー・ザ・ワイヤーでは、アルダースプリングスのシャルドネとピノ・ノワールから白とロゼを造っています。また、アンダー・ザ・ワイヤーのためにピノムニエを栽培するというアイデアもあり、数年後には素晴らしいブドウ畑から新しいワインが生まれる予定です。
- ハーシュ(フォートロス・シーヴューAVA)
ハーシュは言わずとしれた超一流畑。誰もがハーシュの葡萄でワインを造りたいと思う、まさに宝石のようなぶどう畑。
広大なソノマ・コーストの中でも「トゥルー・ソノマ・コースト」の一つ、中央部にある「フォート・ロスシーヴュー」サブAVAの中に位置します。1980年初頭ディヴィッド・ハーシュが開墾し、土壌も気候条件も異なる幾つもの区画に分けて、様々なクローンが植樹されています。