レイミー (レミー) Ramey
レイミー早わかりポイント
- ボルドートップシャトーに君臨するシャトー・ペトリュスで修行を重ね、ドミナスの副社長を務めた経験を持つカリフォルニアを代表する生産者の一人。
- 2019ワインスペクテイターTOP100でシャルドネが白ワインとしては最上位の7位入賞。
- ワインスペクテイターが『プロフェッサー・シャルドネ』と称賛する、新たなカリフォルニア・シャルドネスタイルを生み出した先駆者“デイヴィッド・レイミー”
- ソノマでのデイヴィッドの功績を称えソノマ・カウンティ・ヴィントナーズ初の【生涯功労賞】受賞
豊かさと繊細さ、究極のバランスを持つカリフォルニアワインのパイオニア
『レイミー』は1996年、オーナーのデイヴィッド・レイミーが妻のカーラとともに立ち上げたワイナリー。デイヴィッドの「魔法の杖」に惚れ込んだ超一流のヴィンヤードオーナー達が提供した最高のブドウを使って、カリフォルニア最高と評価されるワインを造っています。
特に、シャルドネおいては現在のカリフォルニア・シャルドネスタイルを生み出した先駆者として称賛され、2019年にはワインスペクテーターTOP100で、Hyde Vineyard Chardonnay 2016が白ワインでは最上位の第7位にランクイン。2019年7月のワインスペクテイター誌では、『プロフェッサー・シャルドネ』として特集までされています。
もちろん、シャルドネだけではありません。レイミーでは、ソノマとナパの最高のブドウ畑から、シャルドネ、カベルネソーヴィニヨン、シラー、ピノノワールの卓越したワインを造り出しています。
レイミーのワインは総じてカリフォルニアらしいリッチさをしっかりと感じさせつつ、口中に染みこむような繊細さを併せ持ちます。長い熟成の後には、さらに深みを持つ独特のバランスを持つワインです。
デイヴィッド・レイミーの軌跡
デイヴィッド・レイミーは1979年にアメリカのトップワイン醸造学校であるカリフォルニア大学デービス校でワイン醸造学の修士号を取得。ワインの中でアロマがどのように変化していくのかをテーマにした論文は、今でもワイン熟成の仕組みを理解するために使われているといいます。
クラスメイトのほとんどが地元カリフォルニアのワイナリーに就職を決める中、デイヴィッドはフランス・ボルドーのトップシャトーに君臨するペトリュスを手掛けるムエックスファミリーへ。渡仏当初は、醸造についての話ができるよう、生きた語学を学ぶ為にパリで働くことに。1986年のハーベストではムエックス家で働き、伝統的なワイン造りのテクニックを学びました。
その後はアメリカに戻りシミ・ワイナリーへ。カリフォルニアにおけるパイオニア的女性ワインメーカーの一人、ゼルマ・ロングの下で修行を重ね、その当時に圧搾の方法を研究するようになりました。今となっては高級ワインにも多く用いられる全房(ぶどうの梗などを除かず)のままプレス(圧搾)する方法や、ゆっくりプレスする方法なども編み出し、後に多くの人々が彼のアイデアをマネするようになったといいます。
他にも、1990年代始めにはほとんどなかったという天然酵母での発酵も、デイヴィッド・レイミーが始めたことだそうです。
1984年~88年はマタンザスクリークで修行。フルタイムのワインメーカーといて働き、カリフォルニア・ベスト・シャルドネにも選出されるワインを生み出しました。1989年には再度フランスへ渡り、ボルドーのシャトーペトリュスで働きました。1990年代にはチョークヒルで修行。その頃にシャルドネが高い評価を得て多くのレストランで使用されるように。
1996年には、ムエックス家がナパに所有するドミナス・エステートの副社長に就任。ドミナスでは赤ワインのみを造っていたことから、同年に、自身で白ワインを手掛けるためのワイナリー『レイミー』を妻カーラとともに立ち上げました。最初に生産したワインは、ハイドヴィンヤードから調達したブドウを使したわずか260ケースのシャルドネでした。
『レイミー』で自身のワインを造る一方、1998年にはラッド・エステートから引き抜きがありドミナスから移籍。2001年までカベルネとシャルドネの生産を続けましたが、自身のワインの生産量も増え安定したことにより、2002年にラッドを卒業。それまでは、他所の醸造設備を借りてワインを造っていた『レイミー』でしたが、これを機にヒールズバーグに自身の拠点を置くこととなりました。
『レイミー』は今では年間3,000ケースのワインを生産するまでに成長。今日でもデーヴィッドの下にはワインを飲んで欲しいと数々の若手生産者がサンプルを持って訪れるそうです。長年に渡り積み重ねてきた彼の経験と技術は多くの信頼を経ており、後世へと受け継がれています。
現在デイヴィッドの娘クレアと息子アレンもチームに加わり父をサポート。レイミーの新しい時代がスタートしようとしています。
また、“ソノマという産地やソノマワインを世界の舞台に引き上げた功績”が評価されたデイヴィッドは、2022年にソノマ・カウンティ・ヴィントナーズ初となる【生涯功労賞】が授与されています。