ギャリー ファレルGary Farrell
ギャリー ファレル早わかりポイント
- 今やピノの銘醸地、ロシアン・リヴァー・ヴァレーでピノノワールを造ったパイオニア的ワイナリー
- 経歴が凄い!女性醸造長テレサ・ヘレディアは「最も注目すべき醸造家」に選出
- 生産されるワインは軒並み高得点。しかもワイナリー自身、数々のタイトルを受賞する実力派。
ロシアンリヴァーヴァレーのパイオニアを
キスラーのオーナーと敏腕女性醸造家により復活
ギャリー・ファレル・ワイナリーは、1980年代から高品質なピノノワールやシャルドネでワインラヴァー達を魅了する、ロシアンリヴァーヴァレーのパイオニア的ワイナリー。
現在、創業者のギャリー・ファレル氏はワインメーカーを退き、新たなオーナーでキスラーやデュレル・ヴィンヤーズを所有するビル・プライスの下、2012年に就任した女性醸造長テレサ・ヘレディアがギャリー・ファレル・ワイナリーのワイン造りを引き継いでいます。
ブルゴーニュのドメーヌ・ド・モンティーユにて伝統的なワイン造りを学んだ彼女の造り出すワインは、ギャリー時代のリッチなワインとは一味違ったスタイル。ソノマの冷涼エリアで育まれるブドウが持つエレガンスを最大限に表現した素晴らしいクオリティのワインを手掛けています。ギャリーも彼女の造るワインを愛し、時折ワイナリーを訪ねては自宅用にワインを購入してゆくそう。
ギャリーファレル・ワイナリーの歴史
創業者の”ギャリー・ファレル”は、1978年にワイン造りのキャリアをスタートして以来、ロキオリなどソノマ・カウンティーの ロシアンリヴァー・ヴァレーの有名ワイナリーでワインメーカーとして活躍してきました。
まだギャリーが自身のワイナリーを設立する前、Davis Bynum Wineryで初めて造ったピノノワールを、カリフォルニアの伝説のワインメーカー”アンドレ・チェリチェフ”がワインコンクールで試飲した時『一体誰が造ったのかはわからないが、彼がピノノワールを理解しているのは確かだ』と絶賛したと言われています。
その当時、ワイナリーなどほとんどなかったロシアンリヴァー・ヴァレーですが、ブルゴーニュに気候が似ていることに気がついたギャリーは、ピノ・ノワールとシャルドネを育てることに。ギャリーが造るワインはリッチで濃厚なスタイルで人気を博し、一気に名門ワイナリーとしての地位を確立していきました。
ギャリーは、2004年にワイナリーを売却(その後2013年にはワインビジネスから引退)しましたが、彼の残したワイナリーは新たなオーナーの下で高品質のワインを生み出し続けています。
2012年に醸造長に就任したテレサ・ヘレディアは、UCデイヴィス校卒業後にブルゴーニュのドメーヌ・ド・モンティーユやナパのジョセフ・フェルプス、ソノマのフリーストーンなどで活躍した経歴を持ち、2012年にサンフランシスコ・クロニクル誌で、最も注目すべき醸造家にも選ばれています。
テレサは、就任後わずか9年の間にワイン評価雑誌等から500回を超える90点以上のスコアを獲得する敏腕ワインメーカー。ワイン・エンスージアスト誌においては2015年ロシアン・リバー・セレクション・シャルドネが2017年のエンスージアスト・トップ100の1位に選抜されました。
ギャリーファレル・ワイナリーの畑・醸造について
ギャリーファレルでは、ロシアン・リヴァー・ヴァレーにある43のトップ栽培家からブドウを購入しています。ロシアン・リヴァーヴァレーの開拓者でもある有名栽培家ロキオリからは、実に38年間にも渡って質の高いブドウを購入し続けています。
多くの契約農家から購入しているブドウですが、すべてを一律に管理するのではなく、一軒ごとにブドウの出来を見極め、全て別々に仕込んでいます。
自然な酸味を残すよう収穫は8月から始まり、発酵が進まないよう冷蔵トックで運搬、運ばれてきたそれぞれのブドウは丁寧に手作業で選果しています。これだけ多くの栽培農家と契約していることを考えると、気の遠くなるような作業です。
ブドウの発酵は、キュヴェによって10%~60%を全房発酵(茎をつけたまま醸造すること)を用いてます。ステム(茎)部分がしっかりと熟しているものだけを使用することで、ワインにスパイス感と奥行きを与えています。
プレス(圧搾)は種を潰さないよう優しく。ブドウごとそのままタンク内に入れ自然に発酵させること5~7日間。その後7~10間の醸しを行うことで第二アロマを引き出しています。
熟成にはライト~ミディアムトーストのフランス産の樽を使用。テレサはオーク樽は絵画でいう額縁であると考えていると語り、トーストは軽めであることにこだわっています。そうすることで、デリケートなブドウの味わいを忠実に表現したワインが出来上がります。
インポーターさんが醸造長テレサさんにワイン造りの手本としている人がいるのか?と尋ねたところ、リトライのテッド・レモン氏と教えてくださったそう。またテレサさん個人的に、デュモルやウィリアム・セリエムのワインも好きだと話していたそうです。
数々のタイトルを受賞するワイナリーの実力
創設者”ギャリー”時代、全米ワイナリー・オブ・ザ・イヤーを10度も受賞し、殿堂入りを果たしていたギャリー・ファレル。
現在のワインメーカー”テレサ・ヘレディア”にバトンタッチしてからも数々のタイトルを獲得し続けています。
- “2020 Top 50 ソノマ プロデューサー” Wine Spectator
- “2019 Top 100 ワイナリー” Wine & Spirits
- “第1位 Top 100 Wines of 2017” Wine Enthusiast
- “2016 ワイナリー・オブ・ザ・イヤー” PinotFile Rusty Gaffney
- “2015 ワイナリー・オブ・ザ・イヤー” PinotReport Greg Walter