ドメーヌ ド ラ コートDomaine De La Cote
著名ワインディレクターが目指すワールドクラスのピノノワール
ドメーヌ・ド・ラ・コートは、サンタ・リタ・ヒルズAVAの一番海に近い西の端、標高約250mの丘の上に点在する6か所合計16haの自社畑からワインを造ります。
元はブルゴーニュのコント・ラフォンがコラボしてワインをオレゴンで造る「イブニング・ランド・ヴィンヤーズ」が所有していましたが、2012年より交渉が始まり、2013年初めには、全米でも秀逸なレストラン・グループ=マイケル・ミーナ・グループのワイン・ディレクターのラジャ・パーと、この畑に2007年より携わりワインを造るサシ・ムーアマン、投資家のマーク・スティーヴェンソンの3人が共同で購入し、ドメーヌ(ブルゴーニュ式)=英語ではエステート=つまり管理が行きとどいた自社畑からワインを造る「ドメーヌ・ド・ラ・コート」を設立しました。
ドメーヌ・ド・ラ・コートの畑について
畑は、6つの区画「ブルームス・フィールド(3ha)」、「ラ・コート(3.8ha)」、「セイレーンズ・コール(1.2ha)」、「メモリアス(1.4ha)」、「クロ・ジュリエット(0.4ha)」と6.3haのサンタ・リタ・ヒルズAVA区分の畑からなります。サンタ・イネズ川の川底から200m急峻に切り立った丘の上にあり、海まで約10kmとAVAの中では一番海に近い為、涼しく、風も強いが、畑は斜面南東を向いている為、強風には直接当たらない。2500万年前は海の底であった土壌が隆起、圧迫、堆積、経年変化した複雑な土壌で、特に2つの特筆すべき土壌からなります。
二つの土壌の一つは、シリシャス=シレックス。結晶化したシリカ土壌で石英や玄武岩を含みます。もう一つはダイアトメイシャス=ダイアトム。海底に堆積した植物性プランクトンの化石「珪藻土」からなるスポンジ状の保温性に優れ、水はけが非常に良い。更にシェール土壌(頁岩)堆積物が堆積し圧迫され、薄く割れる(スレートや礫という)土壌も含まれます。
グラン・クリュ・クラスのシャルドネ、ピノ・ノワールの条件:「海の堆積物土壌、東を向いた斜面中腹、冷涼」を満たしています。
畑は2007年、まだイブニング・ランド所有の時代にサシ・ムーアマンとクリス・キング(二人ともこの土地に魅了されドメーヌ・ド・ラ・コートにてその夢の続きを体現している)が、植樹にかかわり、カリフォルニアの代表的優秀なクローン(マウント・エデン、スワン、カレラ)と少しのブルゴーニュ・クローンを、この地区では前例のないほど密植。4,000本~7,000本/エーカーは、1ヘクタールに換算すると1万本から1万8千本(ロマネ・コンティが1万本/haと言われているのでいかにこの畑が密植かわかる)。それぞれの樹が互いにストレスを感じ、下へ下へと根を伸ばし、個性豊かな土壌の成分を吸い上げます。
6つの畑はそれぞれ地質、方位、標高、微気候が違い、たった 16ha の集合体であっても比類なきクリュの違いを表現できることは驚きに値します。ブルゴーニュ・コート・ドールの村々の特級・一級の各区画や、いまや名高いカレラが造るマウント・ハーランのジャンセン、 セレック、ミルズ、リードなどのように、近い将来、この畑もその個性が認知されるようになるであろうと思います。
秀逸なワインは畑から。畑は有機栽培、ワイン造りは「何も足さず、何も引かない」をモットーにテロワールの体現を手助けするにすぎないと語ります。
■オーナー・ディレクター:ラジャ・パー
アメリカ各地で有名なマイケル・ミーナ・グループのワイン・ディレクターを努め、彼がワインをコーディネイトして高い評価を受けたレストランは枚挙に暇がない。 彼が求めるワインは、料理と合わせることにより、双方が引き立ち、相乗効果を生み出すもの。つまり、酸と果実のバランスが取れ、フィネスがあるもの。
ラジャ・パーは食のオスカーと言われるジェームス・ビアード・アワードを著作「シークレット・オブ・ソムリエ」で受賞するほど、全米では有名人であり、彼の情熱とブルゴーニュや世界の秀逸なワインに対する審美眼とそれをまとめ上げる才能は傑出しています。
■オーナー・ワインメーカー:サシ・ムーアマン
カリフォルニア生まれ、日系2世で本名は「武蔵」という。 ソフトな印象ながら、真面目で、情熱的。ワイン造りのセンスは目を見張るものがあります。キャリアの初めはシェフとしてニューヨークやワシントンで経験を積んだ後、ワイン造りに興味を持ち、5年間のインターシップとしてオーハイのアダム・トルーマックのもとでワイン造りを学ぶ。その後、ストルプマン・ヴィンヤード(シラーで有名、現職ワインメーカー)や、旧所有者イブニング・ランド・ヴィンヤード時代にこの畑の素晴らしさを見抜き、現在もその個性を表現しています。