フランスFrance

ロートシルト家のシャトー。ポイヤックにある畑はムートン・ロートシルトとラフィット・ロートシルトというメドック1級格付けのシャトーに囲まれた好立地で、抜群のテロワールの趣を同じくしている。ロートシルト家の垂涎のラインナップの中では比較的に若くから愉しめるワイン。

メドック格付5級ながら、クラッシックなつくりで堅実なファンをもつシャトー。色は濃く、土壌からもたらされる、ブラックチェリー、トリュフ、杉や甘草などの芳香が満載。ワインは、豊かなフルボディ、深く、熟したカシス、丸いタンニン、十分な新鮮さが濃縮される。ヴィンテージを問わず熟成を愉しめる長熟できるタイプ。内緒にしたい程のお値打ち品。

ネゴスもののサン・ジョゼフ。フローラルなスミレの香りにチャーミングなダークチェリーやプラム。ほんのりスパイシーな印象。ミディアムボディでタンニンは丸みを帯び、フレッシュなフィニッシュ。

珠玉のワインが数多つくられるポイヤックのアペラシオンの中で、確固たる評価を受けるCh.Lynch-Bages。その畑の若樹から少量つくられるセカンドワイン。農法・醸造はCh.Lynch-Bagesとまったく同じレシピを用いられるが、セパージュの比率により、若くて丸く、柔和でエレガントに仕上げられ、早くから愉しめる。それでいて長熟タイプ。

すみれ色の澄んだディスクが縁取り、きれいなルビー色の色調が輝く。ブラックチェリー、カシス、チョコレートの見事な香り。口に含むと勢いを感じる。タンニンはパワフルでエレガント。酸がしっかりとワインを支えている。今飲んでも美味しいが、素晴らしい長熟タイプである。

エレガントで白い花のような華やかな香り。豊かに口に広がり、フランジパーヌ（アーモンドクリームの入った洋菓子）のローストしたアーモンド、カシューナッツの複雑な香り。バランスは既にほぼ完璧である。ひと昔前で言うと暖かいガレット・デ・ロワのようなトースト香や、またグレープフルーツのような苦味も少し感じる。辛抱強く数年待った方がより花開いた状態で美味しい。

赤い果実の第一アロマはやや控えめだが、将来有望。絹のようなタンニンで滑らかな口当たり。リッチさとバランスの良さが、素晴らしい長熟ワインであることを期待させる。

軽く空気に触れさせるとスパイス（ローリエ）、チェリーが香る。タンニンがまだまとまっていないが口に含むとほのかにビターな味もし心地良い。2～3年の間セラーに置いて（存在を忘れて）おけば、後で素晴らしいバランス、本物の感激を味わえるだろう。