知ってるようで知らないオーストラリアワインの魅力
オーストラリアワインってどんなワイン?
オーストラリアは南半球に位置し、日本からも多くの観光客が訪れる人気の観光地。そのオーストラリアの重要な産業のひとつがワインです。
オーストラリア最大の栽培量を誇る代表的品種といえばシラーズですが、他にもカベルネソーヴィニヨンやシャルドネと言った国際的に人気のブドウから、テンプラリーニョやネッビオーロなどの個性溢れるなブドウまで世界中のバラエティ豊かなブドウ品種が栽培されています。
多くのブドウ品種が栽培されている理由のひとつに、オーストラリアは移民の国である事が挙げられます。オーストラリアでは人口の4分の1近くが、イギリス、イタリア、ドイツ、ニュージーランド、中国などをルーツに持っています。それぞれが母国の味を求め、地元のブドウ品種を植え始めた事から多様なブドウ品種、ワインが楽しまれるようになりました。
このページでは、『A+ Australian Wine 認定トレード・スペシャリスト』であるスタッフ・トリイが、オーストラリアワインの特徴やワイン産地、最新のトレンドの情報から、ワッシーズのおすすめワインまで、オーストラリアワインの魅力をたっぷりとご紹介します。
目次
オーストラリアワインの
3つの特徴
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南側に集まるワイン産地
ヨーロッパがすっぽりと入ってしまう程広大なオーストラリアですが、ブドウ栽培地域は大陸の南側に面した東西約3000kmの海沿いの地域に集まっています。
その理由は、赤道に近い北側から内陸は大半が砂漠に覆われており気温が高く、ブドウ栽培には適していない為。一方ブドウ栽培が行われる南側は、南太平洋、インド洋と南極からの海流が流れ込み、風はかなり冷たく気温差が激しい地域。この地域は平地だけでなく最も高い所で標高1,000mの高地も多くあり、多彩な気候と環境がブドウの栽培に適しており、多種多様のワイン造りが行なわれます。
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ワイン大国フランスも羨む長寿のブドウ
世界中のワイン生産者がブドウの栽培で頭を悩ますのが害虫による被害。オーストラリアでは気候や環境などの影響で害虫被害が非常に少なく、畑にブドウの苗木が植えられてから一度も植え替えや接木される事なく樹齢100年を超える樹が多く存在します。
オーストラリアでは畑と畑の距離が他の諸外国と比べ非常に広い事で、もし一つの畑でフィロキセラなどの害虫が発生しても他の産地や畑に被害が及びにくいのです。
最も樹齢の古い樹から作られるワインは、バロッサヴァレーのワイナリー、ラングメイルの畑で1843年に植えられたものとされています。ピーターレーマンやダーレングベルグなど大手ワイナリーでも樹齢50年を超えるブドウの樹から収穫されており、ヴィクトリア州にあるオーストラリア最古のワイナリーのひとつであるタービルグに至っては樹齢160年にもなる1860年の樹から収穫されたブドウで作るシラーズが今でも販売されています。
フランス・ローヌ地方のワイナリー”M・シャプティエ”では、同地域から1831年にオーストラリアへ持ち込まれたルーツを持つシラーの樹を、病害を受けていない事から逆輸入の形でフランスに持ちかえった事があります。
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オーストラリアでは美味しければなんでもアリ
オーストラリアでのワイン造りにも、フランスやイタリアなどと同じようにワインの品質を管理したり、産地を保護する為の法律が存在します。しかし非常にそのルールは柔軟です。
世界中のブドウ品種がここにはある
ヨーロッパなど古くからのワイン産地では、厳しい法律の下で地域ごとに栽培できるブドウが管理されています。
しかしオーストラリアではワインの法律が比較的緩やかな事もあり、地域を問わず生産者が自由に様々なブドウ品種を植える事が出来ます。その為シラーズ、カベルネソーヴィニヨン、シャルドネの他にもイタリアのネッビオーロやサンジョベーゼ、スペインのテンプラリーニョなど現在120種を超えるブドウ品種が植えられています。
美味しくなるなら混ぜてもOK
フランスやイタリアなどの地域ではワイン法でブレンドに使用するブドウ品種も厳しく制限されています。
しかし、自由な気風のオーストラリアワインではワインが美味しければ混ぜてもOK。シラーズとカベルネソーヴィニヨンのブレンド、セミヨンとシャルドネのブレンドといったオーストラリア独自の個性的なブレンドワインが楽しまれています。
無いのなら作ってしまえばいい
オーストラリアは元々ブドウが生息していなかった土地の為、全てのブドウはヨーロッパから輸入され植えられたもの。ヨーロッパとの大きな環境の違いもあり、オーストラリアの環境に合いやすい品種やクローンの研究がおこなわれてきました。近年では最適なブドウ品種を自分たちで生みだそうと、完全なオリジナル品種を作り出す研究も盛んになっています。
中でもヴィクトリア州にある『ブラウンブラザーズ』は研究に熱心で、ワイナリー内にキンダーガーデン・ワイナリーを設立し小ロットの実験品種を作成、タランゴ、シエナと言ったオーストラリア・オリジナルの新種を生み出しています。
オーストラリアの主要ワイン産地とワインの特徴
オーストラリアは6つの州と1つの準州と呼ばれる特別区で分けられています。
ブドウ栽培がおこなわれているのは、西オーストラリア州、南オーストラリア州、ヴィクトリア州、ニューサウスウェールズ州と本土から離れたタスマニア州(タスマニア島)の5つの州です。 ここでは州ごとの主要なワイン産地と特徴、有名生産者を地域の地図とともにご紹介します。
- 南オーストラリア州South Australia
オーストラリアのワイン生産量の約50%を占めるワイン産地。シラーズが多く栽培されるバロッサヴァレーが有名ですが、カベルネソーヴィニヨンの評価が高いクナワラや良質なリースリングが多く作られるクレアヴァレーと多彩な産地が点在します。この産地を探す
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クレアヴァレーClare Valley
ドイツからの移民が多く住み、400mを超える標高で涼しく穏やかな気候から、ドイツとゆかりの深いブドウ品種であるリースリングが多く作られています。この産地を探す
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バロッサヴァレーBarossa Valley
オーストラリアを代表するブドウ品種シラーズが、栽培面積の半分を占めている産地。大手のワイナリーから家族経営の小さなワイナリーまで多くのワイナリーが存在します。温暖で雨が少なく湿度が低い気候の為、健全で上質なブドウを育てることが出来ます。この産地を探す
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マクラーレンヴェイルMcLaren Vale
南オーストラリアでは最も古い産地です。温暖な気温と吹き込む冷涼な風の影響を受け、濃厚できめ細かいシラーズやグルナッシュと言った黒ブドウが、この地域で栽培されるブドウの約90%を占めています。この産地を探す
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クナワラCoonawarra
テラロッサと呼ばれる石灰岩に赤土が乗った独自の土壌を持ち、海洋性の気候でボルドーに近い環境と言う事もあり、ボルドーの主要品種と同じカベルネソーヴィニヨンを使ったワインの評価が非常に高い地域です。この産地を探す
代表的生産者ボーエン エステート
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クレアヴァレーClare Valley
- 西オーストラリア州Western Australia
オーストラリアワイン生産量のわずか2%と小さな産地ですが、世界中で評価の高いワイナリーが多く存在するプレミアムワイン産地です。この産地を探す
- ヴィクトリア州Victoria
海側と山側それぞれに中小規模のワイナリーが点在しています。オーストラリアの中でも冷涼な地域が多く、ピノノワールとシャルドネの評価が高い地域です。冷涼な気候からシャンパーニュのモエ・シャンドンもこの地でスパークリングワインを生産・リリースしています。この産地を探す
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ヤラヴァレーYarra Valley
標高100mから360mの間にブドウ畑が点在し、それぞれの標高にあわせてバラエティに富んだブドウ品種が栽培されています。高い標高で収穫されるピノノワールとシャルドネの品質は素晴らしく、中腹で収穫されるカベルネソーヴィニヨンやシラーズは酸味を持ったエレガントな味わいが特徴。ワイナリー観光も盛んな人気産地です。この産地を探す
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ギップスランドGippsland
ヴィクトリア州の海沿いに位置するワイン産地で、天候や湿度などブルゴーニュに近いと言われていることもあり、最良のピノノワールやシャルドネが作られます。小規模でこだわりの強いワイナリーが点在しています。この産地を探す
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モーニントン半島Mornington Peninsula
メルボルンからほど近い半島で、オーストラリアとしては比較的新しく、年々注目度を増している産地。海に面している事から冷涼な気候で、ピノノワールはこの地域の代表品種です。またクラフトビールの作り手も多く存在する地域でもあります。この産地を探す
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ヤラヴァレーYarra Valley
- ニューサウスウェールズ州New South Wales
オーストラリアのワイン産業発祥の地。ヨーロッパから持ち込まれたブドウの樹は最初シドニーで植えられ、その後ハンターヴァレーでワイン産業として広がり、徐々にオーストラリア全土に拡大していきました。白ブドウのセミヨン種が多く親しまれています。この産地を探す
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ハンターヴァレーHunter Valley
オーストラリア最古のワイン産地。ここで作られる辛口のセミヨンは食事と合いやすく人気が高い。この産地を探す
代表的生産者スモール フォレスト -
カウラCowra
内陸に位置し夏場は非常に気温が高く乾燥していますが、夜の冷え込みとの寒暖差がブドウ栽培に適しています。この産地を探す
代表的生産者ウィンダウリ
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ハンターヴァレーHunter Valley
- タスマニア州New South Wales
オーストラリア独自の真っ赤なスパークリングワイン
オーストラリア独特のワイン文化の中にスパークリングレッドワインがあります。このワインはシラーズなど赤ワイン用のブドウで作られた個性的なスパークリングワインです。
イタリアにもランブルスコと呼ばれる、軽やかな甘さの赤いスパークリングワインが存在しますが、オーストラリアの赤いスパークリングワインは赤ワインのように濃くしっかりとした味わい。スパークリングレッドワインの大半が、フランスのシャンパンと同様の特別な製法“シャンパン方式”で作られています。
この赤いスパークリングワインの誕生は、過剰供給となり余ったブドウを活用する為に作られたのがきっかけと言われています。オーストラリアの人々が日常的にビール代わりとして消費されていたものが次第に広まって行き、様々な場所で愛されるスパークリングワインとなりました。
ワインの赤と泡の白が織りなすコントラストが美しく、きめ細かいクリーミーな泡と甘く熟したフルーティーで芳醇な味わい。オーストラリアでは、バーベキューパーティーやクリスマスなどのお祝い事で多く楽しまれおり、日本の食事では焼き鳥や焼肉、プリの照り焼きなどの濃い目のタレの食事ともよく合います。
レッドスパークリングの商品一覧はこちらオーストラリアはスクリューキャップの先進国
ワインの栓として多く利用されているコルクとスクリューキャップ。コルクは古くからワインの栓として利用されていますが、スクリューキャップの歴史が始まったのはごく最近。このスクリューキャップをいち早く導入し研究、改良を推し進めたのがオーストラリアワインです。
1970年代オーストラリアでは質のいいコルク素材はヨーロッパ諸国に独占され入手が困難だった事から、ニュージーランドとともに、新たなワイン栓としてスクリューキャップに注目し積極的に導入をすすめてきました。しかし、当時はスクリューキャップを使ってワインを長期保管することに対して不安視する声も多く、安いワインにだけ利用されていました。
その後もスクリューキャップの研究と改良が進められ、コルクに劣らないワイン栓としてひとつの完成となった2000年、最良のワイン栓としてスクリューキャップの良さを世界中に知ってもらおうとクレアヴァレーにある5つのリースリング生産ワイナリーが一斉にスクリューに切り替えました。当時一斉切り替えというプロモーションは大きな話題となりスクリューキャップは大きく注目を浴びる事になりました。
このプロモーションの先陣を切ったのが世界的にリースリングで高い評価を得ている『グロセット ワイナリー』のジェフリー・グロセット。リースリングはとりわけコルク不良の際に香りの影響を受けやすい事から、コルク不良の問題を回避できるスクリューキャップが「リースリングの本当の美味しさを確実に伝えられる手段である。」と確信し積極的に導入を行いました。
白ワイン以上に熟成を求められる赤ワインは、プレミアムワイナリーを中心に長年研究が進められてきました。近年、熟成結果や効果も見られだし、スクリューキャップがコルク以上に密閉度が高く、品質に変化がない事が解ってきた為、プレミアムクラスの赤ワインでも導入するワイナリーも徐々に増えてきています。
オーストラリアの最新トレンドは“ナチュラルワイン”
オーストラリアでは中小規模のワイナリー、中でもナチュラルワイン(自然派ワイン)を手掛ける若い生産者が増えています。オーストラリアワインのイメージを覆すとも言われる最新のナチュラルワインは、限りなくワイン造りに人の手を加えず、添加物は使用しないかごく少量だけ。
一部の作り手は、古くから続くワインの醸造方法や醸造学などに囚われない革新的なワイン造りをおこなっており、それに対して批判的な声もあがっています。しかし既成概念にこだわらない製法や味わい、目を引く個性的なラベルデザインで若い消費者を中心に、世界各国で一大ブームとなっています。
\オーストラリアのナチュラルワイン中心に輸入/
ワインダイヤモンズの商品一覧はこちら
ワッシーズおすすめの生産者
ワッシーズのおすすめオーストラリアワイン
オーストラリア代表品種“シラーズ”おすすめ
オーストラリアを代表する赤ワイン用のブドウ品種がシラーズ。温暖な気候から生まれるシラーズはベリー系の香りと凝縮した味わい。柔らかいタンニンとスパイシーなアクセントが特徴。しかし現在は温暖な地域だけでなく冷涼な地域でも栽培されており酸味がありエレガントさを兼ね備えたシラーズも味わえます。
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コスパ抜群のお値打ちバロッサ・シラーズ!フルボディでリッチ、しっかりと凝縮されパワフル。黒い果実の風味にスパイスのニュアンス、柔らかなタンニンに溶け込むモカや黒オリーブの風味が力強くも親しみやすい味わい。 The Real Review:94点
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オーストラリアで注目の若手醸造家アンガス・ヴィンデン氏が手掛けるワイン。上質なタンニンと美しい赤い果実を備え、活気に満ちた新時代のハンター・シラーズ。彼の師であり、畑の前オーナーに敬意を込めて作り上げました。
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オーストラリアの代表的カルトワインの1つ。ベルベットの手袋のようにしっとりとした果実味が口の中を包み込む。このセンセーショナルな感覚がずっと続くワイン、それこそがこのワインが持つ個性です。
おすすめオーストラリア赤ワイン
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オーストラリアのカルトワイナリーの赤。レストランの給仕長(メートルディ)が描かれたユニークなラベルが印象的。2020年はカベルネの豊かなアロマと奥深さ、リッチで複雑な味わいが特徴です。
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ワイン評論家から「5つ星」を受けたヴィクトリア州のブティックワイナリーが造る高品質なフラッグシップ・ピノノワールです。2018年は傑出した品質で、複雑な香りと甘美な味わいが魅力。 ジェームス・ハリデー:94点
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オーストラリア最高峰のプレミアムワイン、バス・フィリップのフラグシップ。2020年は新旧2人の醸造家が携わった特別な年です。美しく表情豊かなベリーの果実味と下草や複雑な紅茶のニュアンスのある美しくピュアな1本。
おすすめオーストラリア白ワイン
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世界で最も有名なオーストラリアワイン生産者、ペンフォールズのリースリング。フレッシュなシトラスや白い花の可憐な香り。アロマティックで爽やかながらも長い余韻が愉しめます。
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カリフォルニア伝説のワインメーカー“ポール・ドレーパー”が認め、NYタイムズ誌が注目する生産者。ネクタリンの果肉のようにジューシーな美味しさ。
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注いで驚く真っ赤なスパークリングワインと真っ白な泡の見た目良さが人気。程よく甘いベリーの香りと味わい。余韻のほろ苦さが良いバランス。
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シャンパーニュ方式で造る人気の泡。イチゴや桃、ビスケットのような心地よい香り。クリーミーな泡と深みのあるリッチな味わい。
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和食と良く合うと話題のスパークリング!シトラスとハニーのバランスがとれた香りにさりげない花の香り。クリーミーな泡の口当たりと程よい酸味が印象的。